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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

『パターソン』(ジム・ジャームッシュ監督)

ジム・ジャームッシュ監督『パターソン』をみました。『空と風と星の詩人』と同じく詩人をモチーフとした映画です。 『空と風と星の詩人』がモノクロで過去の朝鮮と日本を舞台とし、非業の詩人の宿命を「物語」として映像化した作品だとすれば、『パターソン…

「 映画『空と風と星の詩人』公開記念 詩人を偲ぶ秋の集い」

先週の土曜日(9月16日)に、同志社大学で行われた「映画『空と風と星の詩人』公開記念 詩人を偲ぶ秋の集い」は大変多くの方々が集ってくれました。 私も事前にSNSで頻繁に情報を流していたので、それを見て来てくれた人も意外に多くて、あらためてSNSの発信力…

詩人黒田喜夫の中国核実験への回答

昨夜のNHKスペシャル「沖縄と核」は衝撃的でした。今の辺野古の新基地建設も含めて、沖縄の基地問題は核という視点から捉えるべきだと思いました。 返還前の沖縄の恩納村のミサイル基地には、広島の原爆の70倍もの威力を持つ核ミサイルが多数配備されていた…

映画『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』公開記念 詩人を偲ぶ秋の集い

来たる9月16日(土)から京都シネマで、先日このブログでもお伝えした詩人尹東柱の生涯を描いた映画『空と風と星の詩人』が上映されます。 この上映に合わせて、尹東柱が文学を学んでいた同志社大学でイベントが開催されます。 私もトークに参加しますので、是…

辺見庸 目取真俊『沖縄と国家』(角川新書)

長年互いに惹かれあいながら、この対談で初めて会ったという二人の作家の対談集。明治から戦後72年も経つ今にいたるまで、国家の暴力にさらされてきた沖縄をめぐり、それぞれの立ち位置を見定めながら作家として生きてきた「個」の重みをかけて、語りあって…

四方田犬彦「旧植民地下の詩人たちの映像」(「現代詩手帖」9月号)をめぐって

「現代詩手帖」9月号に、四方田犬彦さんによる「旧植民地下の詩人たちの映像ー『空と風と星の詩人』、『日曜日の散歩者』」が掲載されています。 四方田さんは前者を「外部から受難と抵抗の神話を更新することはできても、詩を書くという行為の孤独さそのも…

朱と闇

伏見稲荷大社を訪れました。どこまでも立ち並ぶ千本鳥居の朱色が、九月の光に美しく映えていました。 とりどりに配色鮮やかな浴衣を着た多くの女性たちと擦れ違いました。笑いさざめきもまた、空気に優しい色を添えるよう。 何とはなしに、見ておきたかった…

8月21日京都新聞・詩歌の本棚/新刊評

『朴正大詩集 チェ・ゲバラ万歳』(権宅明訳、佐川亜紀監修、土曜美術社出版販売)は、韓国の民主化世代の詩人(一九六五年生)の訳詩集。メッセージ性と抒情性が一体となった長い各行は、ラップの詩のように一息に読まれる勢いと言葉の野性味がある。昨年末…

茨木のり子と尹東柱

数日前尹東柱の映画について書きましたが、今日は、茨木のり子さんと尹東柱との関係について少し触れます。 少し前のことになりますが、去る4月23日、愛知県西尾市の「横須賀ふれあいセンター」で「茨木のり子と尹東柱」という講演をさせていただきました…

「空と風と星の詩人〜尹 東柱の生涯」(イ・ジュニク監督、韓国映画)

「空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯」(イ・ジュニク監督、韓国映画)を、心斎橋シネマートで見ました。 じつは、期待しすぎて失望するのを恐れ(?)、あまり期待しておかないでおこうと思っていた映画だったのですが、予想に反し、詩人尹東柱の生と詩の本質を映…

阿弖流為と母礼の顕彰碑

清水寺に行きました(清水寺とその周辺は好きな場所で、時折訪れます)。本堂が工事中で全体が覆われていたのが少し残念でした。胎内くぐりに初めてトライしました(闇そのものには光があるのだと感じました)。境内で、こんな碑を見つけました。阿弖流為(アテル…

雨の中、五百羅漢に出会いました

一昨日雨をついて(というのも大げさですが)、若冲のお墓のある石峰寺(京都市伏見区)を訪れました。思っていた以上に静かで優しく、緑ゆたかな美しい場所でした。お墓から裏山に進むと、竹林のあちこちに絵師がデザインした五百羅漢の石仏が無数に佇んでいま…

『夏の花』その後

「現代詩手帖」7月号の詩集評で、時里二郎さんが新詩集『夏の花』(思潮社、5月刊)について書いて下さっています。詩というものの本質から拙詩集の核心にまっすぐに切り込んだ評です。まだ読んでいない方にも分かりやすく魅力的な紹介になっていると思い…

『詩と思想』7月号に「黒曜石の言葉の切っ先ー高良留美子『女性・戦争・アジア』から深く鼓舞されて」を書いています。

『詩と思想』7月号(高良留美子特集)に、「黒曜石の言葉の切っ先ー高良留美子『女性・戦争・アジア』から深く鼓舞されて」を書いています。 『女性・戦争・アジア』は、土曜美術社出版販売から出た最新評論集です。「詩と会い、世界と出会う」という副題がつ…

7月3日京都新聞朝刊・詩歌の本棚新刊評

先月いわゆる「共謀罪」法が成立した。この法をめぐっては人権侵害の懸念があるとされる。端的にはテロか自由かを突きつける法案だったが、「内心の自由」「表現の自由」の問題は詩にも深く関わるはずだ。なぜなら突きつめれば詩とは、「内心の自由」そのも…

2017年5月15日付京都新聞「詩歌の本棚・新刊評」

桜が満開を迎えた頃、大岡信氏の訃報が伝えられた。二〇〇七年「しずおか連詩の会」に私も「連衆」の一人として招かれ、「捌き手」としての氏の炯眼に蒙を啓かれた。「自分の記憶と知識から書かない」「全体を振り返らない」「直前の相手に集中する」―。氏は…

新詩集『夏の花』が刊行されました

新詩集『夏の花』(思潮社)が刊行されました。 発行日は5月1日ですが、発売日は15日で、あと2日後です。 アマゾンなどでももう予約受付が始まっています。 この詩集は、原発事故後から書き継いだ、花をモチーフとする詩17篇をまとめたものです。装画は玉…

4月3日付京都新聞文化欄・詩歌の本棚/新刊評

高良留美子『女性・戦争・アジア―詩と会い、世界と出会う』(土曜美術社出版販売)が出た。社会への鋭敏な批評眼と繊細な詩的感受性を併せ持つ希有な詩人の、五十八年間の評論活動の集大成だ。敗戦時氏は中学一年生。当時戦争をすぐに忘れた大人たちの「明る…

2017年2月20日付京都新聞・詩歌の本棚/新刊評

原発事故からもうすぐ六年。現実はあの時から何も変わらないようでいて、不可視の異化を遂げているように思う。だが異化はつねに探し当て新しい言葉で表現しようとしなければ、容易に見失われるだろう。事故は風化しつづけ、被災者の悲しみは深まっている。…

『詩と思想』一・二月号

『詩と思想』一・二月号で、黒川純さんが、昨年一年私が担当した投稿欄について触れて下さっています。私が最優秀作品に選んだ佐々木漣さんの別の投稿詩の一節の引用も。 今号は選評の他に最優秀作品として、秋亜綺羅さんは藤川みちるさんの「聖誕祭」を、私…

2016年12月19日付京都新聞「詩歌の本棚・新刊評」

『セレクション 有馬敲言行録』(田中茂二郎編、土曜美術社出版販売)が興味深い。「生涯を京都から離れずに暮らしている土着の京都人」である有馬氏は、オーラル派(戦後の自作詩の朗読運動)の代表的詩人。「一九六〇年代後半の京都を欠くべからざる発火点…

十一月七日付京都新聞・詩歌の本棚/新刊評

『宗秋月全集―在日女性詩人のさきがけ』(土曜美術出版販売)が出た。二〇一一年に六十六歳で亡くなった女性詩人のほぼ全仕事を網羅する。終戦一年前に生まれた宗は戦後と共に生きた。だが彼女にとって戦後とは、まさに「在日を生きる」痛みと喜びのあざなう…

『現代詩手帖』11月号に「現在の空虚に放電する荒々しい鉱脈」を書いています

『現代詩手帖』11月号に「現在の空虚に放電する荒々しい鉱脈」を書いています。『燃えるキリン 黒田喜夫詩文撰』(共和国)のやや長めの書評として綴ったものです。 今号の特集は『黒田喜夫と東北』です。生誕90年を迎えたこの詩人を振り返り、評者それぞれの…

11月11日-12日、京都で開催される「疑問形の希望」プロジェクト第一回にぜひご参加下さい。

来たる11月11日-12日の2日間、 アートイベント「疑問形の希望」の第一回が、京都で開催されます。 これは韓国のキュレーター文裕眞さんが企画した、画期的な日韓交流アートプロジェクトです。 このプロジェクトの基軸となるのは、なんと「詩」です。 「疑問…

『びーぐる』33号に 「『世界』の感触と動因ー解体を解体する『武器』をつかむために黒田喜夫を読む」 を書いています。

『びーぐる』33号(特集:黒田喜夫の世界性を問いなおす)に、 「『世界』の感触と動因ー解体を解体する『武器』をつかむために黒田喜夫を読む」 を書いています。 今年は詩人の生誕90年。 遺された言葉は、どれも詩=革命の瞬間を求めて今も生き、 声のまな…

9月19日付京都新聞・詩歌の本棚/新刊評

今年は茨木のり子の没後十年に当たる。文芸誌の特集号も出たが、『自分の感受性くらい』『倚りかからず』などは今も広く読まれ、愛読者は絶えない。何にも凭れず時代に率直に向き合った、詩人の凜とした姿勢が、今を生きる人の心を打つのだろう。第一詩集『…

論考「どこかに美しい人と人との力はないか ー五十六年後、茨木のり子を/から考える」を文藝別冊『茨木のり子』に書いています

文藝別冊『茨木のり子 』(河出書房新社)に、論考「どこかに美しい人と人との力はないかー五十六年後、茨木のり子を/から考える」を書きました。 「五十六年後」というのは、1960年から見ての今を指します。 同年6月、詩人は他の詩人たちと共に国会前での安保…

8月1日付京都新聞掲載 詩歌の本棚/新刊評

詩の月刊誌で投稿欄の選者となり半年が経つ。毎回幾篇かに私の詩観を揺るがすものがあり、興味深く思っている。20代30代の書き手の多くがテーマとするのは、自身を取り巻くディストピア的状況だ。「ディストピア」とは、核戦争などの大転換はなく、人間…

6月20日付京都新聞・詩歌の本棚/新刊評

今年は詩人黒田喜夫の生誕九十年に当たる(一九八四年没)。一月には出版社共和国から詩文撰『燃えるキリン』が出た。難解だが今最も学ぶべき詩人の一人だと思う。前衛の手法でプロレタリア詩に新たな可能性を切り拓いたが、その魅力は、現実の重みに耐えか…

6.4『パルレシア―震災以後、詩とは何か』出版記念イベントのお知らせ

『パルレシア―震災以後、詩とは何か』出版記念イベント 映画上映+河津聖恵の詩とコトバ 日時:6月4日(土)15時〜 料金:2000円 場所:つづきの村(奈良市学園朝日町4-4) 定員:30名 問合・申込:0742-48-1076(会場)、kiyoe51803291@kib.biglobe.ne.jp…