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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

韓国強制併合100年静岡共同行動申し入れ書

韓国強制併合100年静岡共同行動は、本日12月9日、以下の申し入れ書を民主党静岡県連に提出します。その後、記者会見の予定です。転送、転載歓迎

内閣総理大臣 菅直人
文部科学大臣 高木義明
民主党静岡県連会長 牧野聖修

      「朝鮮高校無償化適用中止の撤回を求める申し入れ書」

  きらきら光る無償化の文字
  私たちの心を躍らせた

  手を振って去る無償化の文字
  私たちの心を凍らせた 

                                           京都朝鮮中高級学校・高級部3年 呂仁麻

   この詩は、今年三月、朝鮮高校への無償化排除が決まった時に詠まれた高校生の作品です。まだ18歳の無垢な心を躍らせた無償化の文字が、一瞬のうちに深い落胆へと突き落とされていくようすが表わされています。そして今再び、このようなやわらかな少年、少女たちの心を深く傷つける事態が生まれています。

   報道によると、11月24日の閣議後の会見で仙谷官房長官と高木文科大臣は、朝鮮学校高校無償化について「朝鮮半島が緊張してくる中で現時点では手続きを停止することが望ましい」と言明し、菅首相も、みずから文部科学大臣に、「プロセスを停止してほしい」と指示を出したことを明らかにしました。 私たちは、このような発言に驚きを禁じえません。
 
   そもそも「高校無償化」制度の趣旨は、「すべての意志ある高校生などが安心して勉学に打ち込める社会をつくるために、家庭の教育費負担を軽減すること」にあったはずです。そして、この間の政府の審議過程における統一見解も、「外交上の配慮などにより判断するべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべき」というものでした。高木文科大臣自身もこれまで一貫して「政治と教育の問題を混同してはならない」との態度を取ってきましたし、11月5日にみずから発表した談話では「就学支援金は学校に支給されるものではなく、生徒個人に対して支給される」としながら、「国籍を問わず、わが国において後期中等教育段階の学びに励んでいる生徒を等しく支援する」ためのものであることを明確にしました。このような「高校無償化」制度の趣旨や政府の統一見解、文科大臣の公式発言に照らしてみて、なぜ、今になって、これらを否定する矛盾に満ちた指示や発言をするのか、到底理解することが出来ません。
 
  今まで再三にわたり明らかにされてきたように、朝鮮高級学校に通う生徒たちは、日本に永住しながら民族的素養と誇りをもって日本の地域社会に貢献し国際社会でも活躍できるよう勉学に励んでいます。このような生徒たちとその都度起こりうる朝鮮半島の事態はまったく関係がありません。
 にもかかわらず、今回の朝鮮半島における緊迫した情勢を結びつけて、朝鮮高級学校生徒に対する無償化の「手続きを停止」するということは、理不尽極まりないと言わざるを得ません。
 
  この間、私たちは二度にわたり民主党静岡県連と政府に対し、朝鮮学校生徒たちにも等しく無償化を適用することを求めてきました。そして、日本の各方面だけでなく、「国連人種差別撤廃委員会」や「子どもの権利条約委員会」でも、この問題が取り上げられ、公式的な懸念や勧告も出されました。 にもかかわらず、今年の4月に「高校無償化」制度が実施されてから8ヶ月が過ぎようとしている今日に至っても、朝鮮学校生徒だけが対象から除外れたままという深刻な状態が続いています。
   

    冒頭の詩のように、このような事態に、生徒たちはむろん、どれだけ多くの人々の心が傷ついてきたでしょうか!   私たちは一日も早く、日本政府が11月5日に文部科学省が決定した「外国人学校の指定に関する基準や手続等を定めた規程」にしたがって、朝鮮高級学校生徒に無償化制度を適用することを心より申し入れます。   
                                 
                                                                                                          2010年12月 9日
                                   
                          韓国強制併合100年静岡共同行動・呼びかけ人一同
                                                                                                                        共同代表:森正孝