お知らせです。
私の四番目の詩論集が、来たる7月14日に上梓されます。現代詩についての論集としては、恐らく最後のものになると思います。版元、装丁、装画、作者全て女性の本です。結果的にそうなりましたが、内容からも必然だった気がします。
ご関心がありましたら、是非よろしくお願いします。多くの出会いがありますように。
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以下は帯文、本についての情報、目次、書影のイメージです。書影は最終段階のものとは少し違います。見本が出来次第写真を差し替える予定です。
●帯文●
(帯文表)
深淵へと傾斜していく世界、 戦争への危機意識の下
「一匹の毒虫」
となることを
決意した詩人・河津聖恵の
渾身の評論集。
声と声なき声
のはざまで、
詩人とはなにかを
問い続ける。
(帯文裏)
どこかに光り出す詩という希望を
これからも見出していきたい。
「人間」が続く限りやがて見えてくる星座を、それらは準備するだろう。(著者)
●本の情報●
装丁・毛利一枝
装画・田中千智
出版社・ふらんす堂
●目次●
I 論考
1「毒虫」詩論序説―二〇一五年安保法案可決以後
2どこかに美しい人と人との力はないか―五十六年後、茨木のり子を/から考える
3渚に立つ詩人―清田政信小論
4夢の死を燃やす――「黒田喜夫と南島」序論
5金時鐘に躓く―私たちの報復と解放のための序章
6黒曜石の言葉の切っ先―高良留美子『女性・戦争・アジア』から鼓舞されて
Ⅱエッセイ
1花の姿に銀線のようなあらがいを想う――石原吉郎生誕百年
2 「光跡」を追う旅―2014年初冬、福岡、柳川、長崎
①明滅する絶望と希望―立原道造への旅」
②死の予感、詩のともしび―尹東柱への旅」
3 二月に煌めく双子の星
4「世界」の感触と動因―解体を解体する「武器」を求めて黒田喜夫を再読する
5共に問いかけ続けてくれる詩人―石川逸子小論
III書評
1 苦しみと悲しみを見据える石牟礼道子の詩性―渡辺京二『もうひとつのこの世』・『預言の悲しみ』
2現在の空虚に放電する荒々しい鉱脈―黒田喜夫詩文撰『燃えるキリン』
3「にんごの味」がみちている―『宗秋月全集』
4日本人が聞き届けるべき問いかけ―金時鐘『朝鮮と日本に生きる』
5 新たな「共同性」を希求する声―橋本シオン『これがわたしのふつうです』
6「世界の後の世界」の美しさを信じようー福島直哉『わたしとあなたで世界をやめてしまったこと』
7この青からより青なる青へー荒川源吾『歌集 青の時計』
8 魂深くから聞こえる月母神の声―高良留美子『その声はいまも』
9 危機感と絶望の中で自身の実存を守るために テンジン・ツゥンドゥ『詩文集 独りの偵察隊』
IV時評
1タブーと向き合えない弱さ―「表現の不自由展・その後」中止に寄せて
2透明な武器で撃つ―京都朝鮮学校襲撃事件を中心に
V しんぶん赤旗「詩壇」2018年1月〜2019年12月
●書影のイメージ(実際の本とはやや異なります)●