「現代詩手帖」10月号の詩書月評で、福田拓也さんが『「毒虫」詩論序説』について評して下さいました。黒田喜夫や清田政信をめぐる煩瑣な文脈が、タイトルの「毒虫」と照らし合わせて的確に辿られています。末尾の以下の一節に背中を押されて、『序説』の先を進もうと思います。
「明らかに3.11以来のナショナリズム的傾向に抗して始動したものでありながら民主主義的・人道主義的言説には決して還元され得ない河津の思考は、詩の声と言葉の発せられる「毒虫」的位置という現代詩の根本問題についての思考でありつつしかもそれを 現今の政治的傾向や歴史的文脈と不可分な形でなしているという点で稀有なものであり、詩についての現在最も信頼に値する批評的思考となっている。」(末尾部分)