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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

「A Paradise built in HELL」

韓国のケーブルテレビYTNの記者、パク・サユさんが、15日から東北初中級学校(仙台市)で取材をされています。毎日のように一斉配信で届く報告メール(個人的なメモのようなものとのことですが)がとても楽しみです。

パクさんの鋭い感性と温かな日本語が、東北のハッキョの苦難と奮闘ぶりを熱く伝えてくれます。インフラがまだまだ復旧しない中、地域のA Paradise built in HELLたらんと頑張るハッキョの姿が目に浮かびます。

以下、炊き出し関係を中心にほんの少しだけご紹介。

15日
「学校の方は、思ったより被害が多いです。(地面にはかなり大きい亀破があちらこちら目立ち、玄関先の階段全壊、地盤沈下で校舎の水平が傾く、その為、校舎の窓がほぼ全部閉められない等)」

16日
「‘四十年前’建てられたとは言うものの、床は木の温もりが気持ち良い等、居心地抜群のこじんまりした教室でしたので驚きました。だからもっと胸が痛い。」

「この地域の日本の方々が避難してる所には‘食糧が切れて困ってる’という情報があったので、昨日三時間並び、やっと買えたお米で、オモニ達、女先生達はおにぎりを大量作ってます。日本の避難所に差し上げる為。」

17日
「朝食後、日本の方々が避難してる3ヶ所(日本の小中学校)に、オニギリ400個とバナナ一箱を校長ソンセンニムと若い先生達が‘ばらまい’たので、お米のストックは結構あるかな、と思いました。
 が、学校に帰ってきて、お昼の時間なのに暫くしても食事準備等の気配は全然なく、何故か皆様いつもの通り明るく楽しい雰囲気でコーヒーを飲み始め、サユにもインスタントコーヒーを勧められたので‘お昼食べてから飲みます’と答えたら‘ここ(学校)は、朝晩、1日2食だけ’と言われまして、驚きました。(国籍とか関係なく)‘皆’で分ける為、1日2食だけを食べて来たんですね。」

20日
「既に出てくる五十代の男女の方に‘炊き出しは?’と緊迫に聞いたら‘大丈夫、まだ間に合うよ〜向こうだよ〜’と、笑顔で教えてくれる。‘うちは食べに来たわけではなく、炊き出し場のほのぼのな雰囲気を収めたいからや’と答える暇もなく、教えてもらたグラウンドに向かって走りかける。(しかし、結果的には、ご馳走になる)」

21日
「ウリ学校というユートピアを中心に成り立った在日同胞のコミュニティーが、未曽有の大震災の中、‘同胞支援対策本部’として働きかけてる。近所の仲良し日本の学校には実態調査も給水車もすぐさま来てくれたものの、‘朝鮮学校’にはきてくれないのが当たり前。(先日、言及したように、県庁までに要望書を出しにいったものの、担当者の答えは無責任そのもの)1日2食だけ食べながら節約したお米で、大量のおにぎりを丁寧に作って日本の学校に渡す、ちょっとでも温かいお汁をおもてなししたくて日本の避難所まで全員出動し、炊き出しをする。長い付き合いの学校近所の住民達、久々熱々お吸い物、温もりが感じられるおにぎりをもらい、老若男女、ニコニコ、心温めるひとどき。国籍も国境も乗り越えるハンマダン(広場)。
「<A Paradise built in HELL>というアメリカの本が、日本では『災害ユートピア』と翻訳されたことがあるらしいけど、ウリ学校は、まさに、A Paradise built in HELL、そのもの。災害等、特定な時だけではなく。」