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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

講演『原勝四郎が放ち続ける詩の光』のお知らせ

講演のお知らせです。 Image1210

来る3月5日(土)午後2時から、和歌山県田辺市にある田辺市立美術館にて、『原勝四郎が放ち続ける詩の光』と題して、講演を行います。

これは本日2月11日から始まった原勝四郎展(3月21日まで)の一環として企画された記念講演会です。

原勝四郎は、「絵を売って飯を食うなんて芸当は、俺にはとても出来ん」と、南紀の田辺・白浜にこもり、一人黙々と描きました。若き日フランスとアフリカを放浪し、帰国後は故郷で独自の画風を開花させました。NHKの日曜美術館の「幻の画家 回想の画家」シリーズで取りあげられたこともあります。

また、2009年に思潮社から上梓した私の詩集『新鹿』の表紙は、原勝四郎の「江津良の海」090430_2050 を使用しています。この作品は先日、所蔵先の多屋孫書店から田辺市立美術館へ寄贈されました。今回の展覧会ではこの絵も見ることができます。

二年半前、綱不知とは違っていまだ観光地化されていない美しい絵津良の海を前にした私は、反骨であるからこそ、感受性の強い画家の魂を身のうちで感じました。そして「窮乏の果てにアルジェリアまでゆきついた画家の魂に/この海の青はどのようなやすらぎに見えたか 響いたか」と詩に書きました。今回この講演をさせていただくことを通し、芸術家たちに明治という時代がもたらしたものや、絵画と詩の深い関係にも触れていきたいと考えています。

詳細はチラシ(→IMG.pdfをダウンロード、やや時間がかかります) をご覧下さい。講演では同美術館の学芸員三谷渉さんとの対談、『新鹿』の作品の朗読も行います。

美しい早春の白浜の海岸や熊野古道の散策も楽しみがてら、ぜひ足をお運び下さいませ。