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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

5月15日付東京新聞・中日新聞夕刊コラムで紹介されました

5月15日付東京新聞中日新聞夕刊のコラム「コンパス」で、詩人たちによる無償化除外反対のリーフレットが紹介されました。Image614 「なぜ朝鮮学校が日本に存在するのか」という問いかけが、この記事から静かに波動を拡げていくことを願ってやみません。

言葉のカナリア

高校授業料の無償化てせ朝鮮学校への適用が先送りされたことに対し、詩人ら二十四名が「言葉を紡ぐ者は訴えます」として「無償化除外反対」の小冊子をつくり、文部科学省に提出した。
 呼び掛けの中心となった詩人河津聖恵さんは「この問題に関連して朝鮮学校に対する罵倒の言葉がインターネットなどで垂れ流されていることに、危機感を抱いた。日本語が弱者を抑圧し、排除する言葉になっている」と語る。そして、炭坑で有毒ガスをいち早く察知するカナリヤを例に、「言葉に対するカナリア」としての詩人の役割を強調した。
 冊子の冒頭にあるのは「ハッキョへの坂」と題した河津さんの詩だ。ハッキョは朝鮮語で「学校」のこと。在日詩人への関心を機に朝鮮学校の子どもたちと交流するうちに、地元の反対運動などで不便な高台に立つ朝鮮学校が多いことを知り、作品のモチーフにしたという。
 急坂を上って学校に通う「あなた」に語り掛けるこの詩に、声高な主張や激しさはない。そこにあるのは、弱者の側に寄り添おうとする、静かだが強い言葉だ。なぜ朝鮮学校が日本に存在するのか。過去を顧みない冷静さを失いがちな今の社会で、詩人たちの言葉に確かな力を感じる。