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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

敵はおのれ自身の中に

最近、しんぶん赤旗が面白いです。
読んでみるものだ、と思いました。

このところ一面に掲載されている
連載「従属の同盟」。
日本がアメリカに従属しているという視点から
中国脅威論や「北の脅威」が生まれてきた背景を
するどくえぐりだしています。

朝鮮戦争をきっかけに
60年安保改定時に交わされた密約のひとつとして
「朝鮮自由出撃」密約がありました。
(また別に「核密約」もありました、色々あったようです)
事前の協議がなくて、在日米軍が出撃できるという密約です。
それが北脅威論の起源です。

その脅威論のもとに
7月には日本海を中心に
史上最大規模の米韓合同軍事演習が行われました。

「しかし、当時と現在では朝鮮半島情勢は激変しており、日米が軍事的に関与する余地は圧倒的に少なくなっています」

そうですよ、あのソウルが焦土と化した
死者何百万人という戦争なんて、今はとても考えられません。
昨年、光州の片田舎に行ったとき
山奥の小さなお寺の柱におびただしい銃弾の痕があって
ゾッとしました。戦争のほんの一端であっても・・・

記事が引用する各専門家の判断も正しいはずです。
「かつての朝鮮戦争のような大規模全面侵攻…が勃発する蓋然性は高くないと見られる。…金正日北朝鮮指導部の世界観がいかに特異であっても、全面侵攻が北に成果をもたらすという判断を下すとは考えられない」(防衛省に近いシンクタンクである平和・安全保障研究所
北朝鮮は、核兵器の使用は自殺行為であることをよく理解している」
「実際の脅威は核攻撃ではなく、体制崩壊に伴う核流出だ」(オバマ政権の核政策に大きな影響を与えるペリー元米国防長官)
「仮に北朝鮮の体制が崩壊しても、避難民の流出先は韓国や中国であり、海を越えて大量に日本に押し寄せるとは思えない。体制崩壊自体、切迫しているとは思えない」(朝鮮半島の安全保障に詳しい専門家)
朝鮮戦争ぼっ発60年となる今年、休戦協定を平和協定に代えるための会談を早期に始めるよう求める」
6カ国協議再開も可能」(北朝鮮外務省)
北朝鮮は米国との関係を改善する構えをみせている。今後の動向を注視する必要がある」(前述の専門家)

いずれにしても
朝鮮戦争の痛みを最も思い知っているのは北朝鮮と韓国。
そのために朝鮮半島の統一を悲願しているのも両国。
平和のありがたみを忘れた日本が一方的に
北の脅威をもちだし
勝手に朝鮮半島を分断しようとし
自国をも戦争状態へもちこもうとしているだけ。

しかし真の敵は
おのれ自身の中に存在するのでは?