あの、一号機の炉心融解の説明はどこかできいたことが・・・。
あれだ、あれ。
三月、原子力資料調査室の後藤政志さんの会見で聞いた話だ。
三月十四日の記事の一部です。
「もし完全なメルトダウンが起こると、何が起こるのか。
まず圧力容器の底に溶融物(デブリというもの、デブリとはフランス語で破片、残骸)が溜まるそうです。
スリーマイル島ではその溶融物が底に溜まるという状態が長時間続いたそうです。そして容器の鉄が侵食され、ぎりぎりで止まったそうです。理由は分からないですが、圧力容器の底が抜けないですんだわけです。
しかし炉心が溶融してしまったあとは、圧力容器の底が抜ける可能性がある。
そして底に溜まっていたデブリが水と反応して、
水蒸気爆発をする可能性が出てくる。
まさに恐怖のシナリオです。デブリの雨が降るのです(三号機のプルトニウムはウランの二倍の毒性!)。」
ああ、あのデブリという奇妙な言葉がとても心に残ったのだ。
では、もうすぐ爆発するのだろうか…
と、恐れおののいている中に、先ほど京大の小出裕章さんの新しい見解がツイッターの方に拡散してきた。とりあえず爆発はないようです。ちょっと分からないところもあるけれど。拡散してきた文面をそのまま(ただ後藤さんの話では「圧力容器」となっているところが「格納容器」になっているのに注意したい。さらに先の段階なのだろうか)。
・(メルトダウンになるとどうなる?)私の最悪シナリオは、燃料が一気に落ちて下の水と反応して爆発すること。ところが、今回は既に全部落ちているが下に水がなく、爆発は避けられている。
・(格納容器から落ちないように防がないといけない?)そう。格納容器にも損傷があるが、その底には水があると思う。落ちた燃料はそこで冷やされている状態だと思う。格納容器の底が抜けない限りは爆発はないだろう。
・(底が抜ける可能性は?)ある。発熱と除熱のバランスで決まる。水を入れ続けていれば大丈夫。水が滞って燃料が露出すれば危ない。
・(もっと水をいれることには賛成?)既に水は漏れている。格納容器から水はあちこちから漏れている状態。水量を多くしても貯まらないかもしれない。そうなると増量しても意味はない。
いずれにしても全然安心できない。これからずっと私たちはこの恐怖の中で暮らしていくのはたしかだから。
デブリの雨の幻影を、つねに現実の風景に二重露出しながら
あるいは自分の生につねに死を、レントゲンのように透写しながら
生きていくのは避けられない。