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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

まるで死の願望のように

「この社会には、今おのれの悪意を特権化した刃のような言葉が蔓延しています。」

2月26日の記事(「マイノリティ」)のコメントに
竹村さんの投稿記事に応答する形で私は書きました。

竹村さんは朝鮮学校無償化除外の問題の政治的・本質的なありかに注意を促されていたので、
私の応答はかなりずれています。

書いたのは深夜で、
またその前日の一日
私の記事に対する嫌がらせに近いコメントが幾つか入り、
いやがおうにも言葉という問題について一言言いたくなったのです。

言葉。
今の日本には
悪意を伝えるおびただしい言葉が現実の底でうごめいています。
それらはそのみえない底から
闇の現実を作りだしているようです。
底から泥を捲り返し人間の魂を汚し続けながら

「それらの言葉」は当然使う者の魂を汚していきます。
もちろんそれは「かれら」にも分かっているはずです。

露悪的な意味やイメージ
手だれた印象を装う言い回し
おもねるような半疑問形
シニカルな婉曲法
そして多くの文末が憶測の伝聞体です。

「かれら」はずっと一人で
脳が生体反応をするだけの
数少ない語彙に固着して生きてきたのだと思います。
それらの語彙に対し
脳がパブロフの犬のように反応して生まれる悪意。
その悪意だけを
まるでそれが自分自身のアイデンティティであるかのように特権化しつづけて生きている。

それは怠惰でしょうか
それとも孤独?

それらの言葉にふれれば魂は確実に汚れます。
しかしこの社会の底では魂を汚したい人々が増えているのです。
まるで死の願望のように。