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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

討議「朝鮮学校の高校無償化除外の撤回を」

本日、大阪・天満橋で行われた、Image770_3
朝鮮学校の高校無償化除外の撤回を」という討議に参加してきました。大きな集会の分科会でした。
私もリレートークに割り込ませてもらいました。

朝鮮学校を支える様々な会の方、弁護士さん、朝鮮学校の関係者、保護者、そして最後に現役の生徒さんとOBの朝大生が、熱いトークをくりひろげました。

こうした会では、何度も内容的には同じことを聴かされるのですが、
そのときどきの現状認識や、
語る人自身の立場によっても使われる言葉が違います。
なによりもこの現実からどのように言葉をつかまえてきたか、という
それぞれのいわば「肉体を通ってきた言葉」が語られるのが、魅力です。

たとえば弁護士の丹羽さんが
朝鮮学校は、植民地支配の歴史を記憶する唯一の外国人学校であり、だからこそ、民族の尊厳に対する侵害をくいとめる防波堤なのだ」
といわれたことはとても新鮮で印象的でした。

また、朝鮮学校に対する弾圧のそもそものはじまりは、
すでに1930年代に、
ソダンと呼ばれる自主学校をつぶし、
子供たちをいわば少国民として皇民化教育へと取り込んでいくことから始まった
ということも初めて教えられました。

また、チマチョゴリの制服を着た現役の朝高生が
自分たちは朝鮮学校という名称ではなく
「ウリハッキョ」という呼び方が大好きだ、
深く温かい意味のこもった言葉だから、
と話したのがとても心にのこりました。
けれど話の終わりのほうで
署名活動で多くの日本人に励まされたこと
しかし一方で数少ないながら
心ない言葉もなげつける人がいた、ということを
涙をこぼし身をふるわせながらうったえたとき、
私の胸も苦しくなりました。

OBの朝大生は、
8月の今頃、朝高生たちは受験勉強だけでなく
大検のための勉強もしなくてはならない
お金もかかるし、
塾に行ってもどうして同じ土俵でたたかえないのだろうと
悔しく思う、と言っていました。
彼女は今、大学で日本の植民地主義の研究をしているそうです。

二人の話からも色々考えさせられましたが
とりわけ二人が話す態度やまなざしには
朝高生気質というのか、
たしかにいっぽん筋の通ったすがすがしさがありました。
(朝高生のこのすがすがしさは、ほんとうに素敵です)

丹羽さんの話もふくめて分かったのは
朝鮮学校がなければ
私たち日本人は植民地支配をした記憶を
恐らくこの国の中には保持できないだろうということです。
(人は都合の悪いことは忘れてしまうはずですから)
逆にいえば
この学校さえなければ
日本は不都合な歴史の記憶をたやすく抹消できるのです・・・。(ショックな事実でした)
しかしもちろん
本当にこの国の未来を考える日本人であれば
そんな嘘いつわりのための暴力はのぞまないはずですし、
嘘でかためられた白紙の歴史なんて
なんの未来もうみださないでしょう。
目をふさぎたくなるような残虐な過去と向き合うことこそが
魂と言葉を鍛えあげ
すぐれた詩のような明日をうみだすはずです。