アンソロジーの原稿のすべてを本日編集の方に入稿しおえました。
やや疲れています・・・
まだまだ残っている最終校正などは
他の方にお任せしてしまうことになり
申し訳ない気持がしています。
ところで今日道を歩いていて
お母さんに手を引かれた小さな子供とふと目が合い
思い出した詩がありました。
若いお母さんでもある在日の詩人による
アンソロジー参加作品です。
作品は引用しないでおきますが
内容は以下のようなです。
カタカタカタと
自分の息子が「カタカタ車」で歩く練習をしている。
それをみていた隣家のやはり小さな男の子が
がんばれ!と叫ぶ。
そして
「小学校になったら一緒に学校へ行こな。」と。
それに対して母親である「私」は
この子は違う学校に行くのだ、という。
目を丸くする男の子に
「朝鮮の子やから 朝鮮の学校に行くねん」
と説明する。
男の子は「不思議そうに/少しだまりこんだあと」
「力強く言った」そうです。
がんばれ!!と。
がんばれ! がんばれ!とつづくその子の声援をあびながら
息子さんはうれしそうにまっすぐ歩き出しました。
カタカタカタと車を押して。
以上のような内容の短い詩ですが
私はとても感銘を受けたのでした。
カタカタカタという一生懸命な音もきこえるようでした。
「男の子は不思議そうに
少しだまりこんだあと
力強く言った」
その小さな沈黙は本当にとうとい沈黙だと感じます。
そのとき黒いつぶらな瞳には
きっと世界のすべてが
ありのままの美しさで
くっきりと映し出されていたにちがいありません。