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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

「サムル」について

この詩には多くの民族楽器の名前が出てきます。サムル(四つの物という意味)は、ケンガリ・チン・チャンゴ・プッの四つの打楽器のことだそうです(この打楽器のみの演奏形態をサムルノリと言います)。チャンゴとケンガリ以外は、私も見たことないです。民族音楽のクラブ活動をしている男の子でしょうか。「力いっぱいサムルを叩く」。すると自分の中から隠されていた民族の心も、打たれ出てくる。と同時に、隠されていた大地が、空が現れる。ほんものの風が、雨が、雷がはじまる。打ち鳴らされる音は「豊穣の祈り」となり、希望と未来を実らせる・・・。

読むにつれ、こちらの胸にも新鮮な雨がうちつけてくるような、素晴らしい詩だと思います。

今回の『アンソロジー』に関連して言えば、「うったえる力」としての「うた」もまた、自分の内部を「打つ」ことで、生まれてくるものなのでした。