劇団タルオルム第六回公演、マダン劇「我が家のイヤギ」をみてきました。
会場は、なんと中大阪朝鮮初級学校運動場。
昨年はあの「金銀花永夜」で大感動したタルオルムのマダン劇です。
マダン劇とは観客が舞台を囲んで、演者と観客が声を掛け合う劇。
しかも今回は、『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』の共同編集者の許玉汝さんの
在日二世としての生い立ちを素材に作られた劇とあって、とても楽しみにしていました。
許さんは『アンソロジー』の詩「ふるさと」でも
朝鮮学校が心のふるさとであるというテーマで、生い立ちをうたわれ、
大きな感動を呼びました。
けっこう本降りの中、どうなるかと心配していましたが、
大勢の観客も来ていて、決行となりました。屋台も出ていた。
観客は傘をさしカッパを着て、
出演者はびしょぬれになりながら。
しかし観客席からはかれらにだけ雨が降っていないようにも思えました。
ヒロイン・オギを演じる金民樹さんが大活躍。
いつもながら凄いバイタリティーでした。
テンポ抜群の展開のタルオルムの劇は、とにかく情熱的、エネルギッシュ。
スポットライトに雨に煌めく演劇の時間は幻想的でした。
青森、北海道、東京、京都、大阪と移り住む
許さんとその家族の歴史と朝鮮学校への思いを
団員が心を一つにしてうたいあげていきました。
実際ホンモノの朝鮮学校を大道具に使った臨場感は素晴らしかったです。
朝鮮学校がテーマの作品からはいつも歴史のことを色々教えられる。
とりわけ今日は朝鮮籍という国籍のあり方にこめられた三つの意味を
知ることができました。
帰ってくると月刊「イオ」7月号が届いていました。
詩集『ハッキョへの坂』をめぐっての私のインタビュー記事が載っています。
インタビュアーの編集長琴基徹さんの話の引き出し方がうまかったので
訊かれなければ言葉に出来なかった
朝鮮学校を主要なテーマとするこの詩集への私の思いが
とてもうまく整理されまとまった形になっています。