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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

国際婦人デー3.26関西集会での朗読と高木文科相の悲しい発言

国際婦人デー3.26関西集会で、許玉汝さんと一緒に朗読をしてきました。Image1254
朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』から
許さんは「ふるさと」、私は「ハッキョへの坂」
そして最後に二人で許南麒の「これがおれたちの学校だ」を
バイリンガル朗読(許さんが朝鮮語、私が日本語訳)で読みました。

「思想運動」という労働者問題と取り組み続けてきたグループに
招いていただきました。
またしても誠実な聞き手に恵まれた私たちは幸せだなと思いました。

これらの作品を読むのはこれでもう何度目でしょうか。
読むたびに思いが深くなるのが分かります。
こんなに何度も人前で読むことになるとは考えもしませんでした。

今日も朗読を通して私たちの思いが会場に伝わり
多くの人に朝鮮学校の真実を感じ取ってもらっているのを実感できました。
ああ、これまでも私たちの声は、言葉は
このように何度共鳴して受け止めてもらったことでしょう…。
本当にありがたいことです。

しかし、聞き手の皆さんが誠実である分、ふと悲しみもこみあげてくることも多いのです。
いつまで、こんな風にこの詩を読むのか。
結局は人をやるせない思いにさせる詩を読まなくてはならないのかと。
身勝手に湧く感情なのですが
今日はとりわけ下記のような報道を知った後だったからでしょう。

 朝鮮学校:無償化「震災で年度内の審査困難」…文科相
 高木義明文部科学相は25日の閣議後会見で、北朝鮮による韓国への砲撃で停止している朝鮮学校の授業料無償化適用審査について「今年度中の審査再開は困難」との見解を示した。年度をさかのぼっての支給については「(法的に)可能なのかどうか検討する」と述べ、10年度の朝鮮学校卒業生を無償化制度の対象としない可能性も示唆した。
 これまでは審査停止の理由を「朝鮮半島情勢が不安定なため」としていたが、会見では「大震災への対応もあり、事務手続きが進まない」と加えた。
 朝鮮学校の無償化を巡っては昨年11月に10年度の適用が決まったが、その後の砲撃で審査が停止。朝鮮学校側は「『外交上の問題と教育の問題は別』としていた政府見解と矛盾する」として再三、審査再開を求めていた。(毎日新聞3月25日)

高木氏は高校無償化自体は継続させるつもりらしいですが、
この会見で先んじて朝鮮学校だけを
震災を理由に排除することにしたわけです。
これまで高木氏が朝鮮学校について何も考えようとしてこなかったことが
はっきりと分かりました。
切ないです。悲しいです。

東北では日本の学校だけでなく
朝鮮学校だって震災の被害を受けて大変なのではないでしょうか。
いいえ、施設や経済事情が劣る分、もっと大変なはずではないでしょうか。
高木氏はそんなことも想像できないのでしょうか。

そして大変な中でも学校は日本の人々に炊き出しをしているのです。
それも日本の人が来やすいようにと日本の中学の校舎を借りて。
そんなことをどんなに伝えても、何の意味もないとでもいうのでしょうか。
 
日本にとって未曾有な危機だからこそ
子供たちの権利はしっかり守られなければならないのに
高木氏の言うことはその真逆です。
子供の権利を守ってあげるどころか
危機に乗じて朝鮮学校生の権利を剥奪しようしているとしか思えません。
そのことは結局は
日本のすべての子供の危機につながるはずなのに?