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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

オバマ大統領の追悼演説

昨日2月8日付京都新聞朝刊に掲載されていた
ハーバード大学名誉教授の入江昭氏の論説
「文明国家はありうるか」で言及されていた
オバマ大統領の演説の動画を、ホワイトハウスのHPで視聴しました。
URLは、http://www.whitehouse.gov/photos-and-video/video/2011/01/12/president-obama-memorial-arizona

1月8日にアメリカ・アリゾナ州で起きた銃乱射事件の犠牲者に対する
追悼演説です。

女性連邦下院議員ら多くの死傷者を出した事件ですが
オバマは数日後に現地に出かけ
アリゾナ大学で演説しました。

入江氏はそこで何度も使われた
「シビル」や「シビリティ」という言葉に注目しています。

「いずれも『シビリゼーション』と同じ語源で、『文明的』な態度や人間関係を意味する。文明はもともと節度や教養、寛容度の高い人間関係を基として成り立っているのだ、という意味づけであり、オバマ氏は現在の米国政治や社会にそれが欠けているために、アリゾナ州銃撃事件のような悲劇も発生したのだと認識、米国政治に『シビル』な精神を取り戻さなくてはなりない、と市民に訴えた。」

演説後の世論調査で、オバマの支持率は急上昇したそうです。

上記のURLは動画がアップされていますので、オバマの表情もみることができます。
またHPからは原稿も入手できます。

すばらしい演説です。
英語もそれほど難しくはありません。
声の力強さ、間合いの取り方、観衆をじっと見つめて話す牽引力、
時折見せる魅力的な笑顔、そして大切な処では涙を滲ませて黙る・・・
恐らくブレーンが作った原稿なのでしょうが、
自分自身が深く共感していなければ、このようには読めないと思います。

いくつか深い感銘を受けた言葉がありました。
先ほどの「civil」もそうですが
「live up to」という言葉が耳にのこりました。
「(約束や評判などに)恥じない行いをする、(期待などに)添う」という意味です。

亡くなった9歳の少女に捧げた箇所です。
「私は彼女の期待に恥じない生き方をしなくてはならない。私は私たちの民主主義がクリスティーナが想像していたものとなってほしい。私たちはみな、この国が私たちの子供たちの期待に添ったものになるように、出来ることは何でもすべきなのだ」

某国の政治家たちが刮目すべき一節です。