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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

対人スキル

お盆は久しぶりテレビをゆっくりみました。
日韓の若者の討論番組とか
初めてみた龍馬伝とか。

一昨日朝はNHK日曜討論
そこで対人スキルという言葉を初めて知りました。

幼児虐待や高齢者の行方不明という
昨今の問題の根本的な原因である無縁社会をどうするか。
それに対して、今緊急に共同体的なつながりを作る必要がある、という意見が出たとき
雨宮処凜氏(ずいぶん大人っぽくなりましたね)が
「でも、知らない人とつながるためには
対人スキルが必要。
スキルが高い人ではうまく行くけれど
スキルが低い人は排除されていくはず。
そういう問題が出てきます」
という見解を述べたとき、なるほどなあと思いました。

対人スキル。
それは初対面であれば一瞬で人の心を掴む力であり
継続的には会社や家庭といった集団で
相手も自分も不快にならないように
言葉や表情を含めたコミュニケーション能力を駆使することを
いうでしょう。

スキルと言い方は何か非人間的で
効率のためだけの人間関係力という響きがするので
あまり好きではないです。
しかしこれに関連してふと思い出したのは
哲学者の内田樹さんがどこかで
「生き抜く力とは
どんな人とも友達になれ、どんな食べ物も食べられる力だ」
というようなことを書いていたことです。

京都に帰ってきてから
幾人かのひとからのメールを読んだとき
その「対人スキルの高い低い」の問題を
思い出しました。

終戦記念日あたりに
朝鮮学校無償化に反対する人々が
靖国神社やこの京都で何か騒ぎを起こしたそうです。
またかーと思い、
ぱちぱちネットで検索していくと
あの「産経新聞」が連日のように
あの手この手で学校のバッシングに紙面を割いていたと知り
溜息をつきました。
あちらこちらから
とにかく反対の論拠となるネタをかき集めているのでした。

が。
無償化反対と騒いだ人々や産経新聞の記者はきっと
朝鮮学校の見学に行っていないですよね?
自分から話をきき、学校の歴史や実情を知ろうとしていないですね?
騒ぐだけさわいで
どうして行かないのでしょうか。
恐らく朝鮮学校と交渉することもできないほど
まず対人スキルが不全だからだと推測しますが
(不全に気づけないほど症状が深刻なのは、かれらが使う言葉から分かります)
しかしさらにいえば、それは
罵声の大きさや誹謗中傷の威勢の良さとまさに反比例して
先に述べたような「生き抜く力の弱さ」を意味しているはずです。
だから
ここにも無縁社会につながる深い問題がある。
つまりかれらは
鏡に映った私たち自身の姿であるかも知れない、と思うのです。

けれど
もし社会をリードすべき立場にある者ならば
まさに生き抜く力の「弱さ」ではなく「強さ」をこそ
見せるべきではないでしょうか。