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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

すみやかな無償化適用を強く求める、全国朝鮮高級学校校長会談話

すみやかな無償化適用を強く求める、全国朝鮮高級学校校長会談話
(11/08、午後2時から参議院会館)
 
全国朝鮮高級学校校長会 愼吉雄会長(東京朝鮮中高級学校校長)
同 崔寅泰副会長(茨城朝鮮小中高級学校校長)
東京朝鮮学園 金順彦学理事長
東京朝鮮高級学校保護者
生徒代表 計6人

 不当な理由で一時凍結された朝鮮学校生徒への高校無償化制度適用の審査手続きが再開されて2ヶ月が過ぎたにもかかわらず、いまだに審査が終了せず適用の決定がなされていないことを誠に遺憾に思っています。そもそも「高校無償化」制度は、「すべての者に教育の機会が与えられるものとする」国際社会権規約の理念に基づき「すべての意志ある高校生などが安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、家庭の教育費負担を軽減する」との趣旨で実施されたにもかかわらず、外交上の理由や政治的な思惑で、実施から1年半が過ぎた今でも朝鮮高級学校に通う生徒たちだけが除外されている深刻な民族差別が続いていることは、あまりにも理不尽です。

 また、朝鮮学校生徒への高校無償化適用に一貫して反対しながら意図的に偏向報道をくり返してきた「産経新聞」が、審査手続きが再開されてからは「文科省提出の教科書は『ダミー版』」だとか、「朝鮮学校反日に誘導している」とか、「朝鮮学園の理事会が有名無実化している」などと事実を歪曲し記事をねつ造するまでに至っていることに憤りを禁じえません。産経が何故、歪曲やねつ造などジャーナリズムとして恥ずべき卑劣な手段まで使って、過去の植民地支配の犠牲者であり、日本国民と同じく納税義務を果している在日朝鮮人とその子どもたちまでも敵視し民族差別を助長し続けるのか、私たちには到底理解できません。ただ、産経の朝鮮関連報道の偏向ぶりは多く衆人の知るところであり、朝鮮学校に関するこれまでの歪曲・ねつ造報道を鵜のみにするのはごく一部の人々であることも承知しています。私たちは日本の良識を信じています。

 これまで日本政府は、朝鮮学校生徒への高校無償化制度適用についての審査過程で「外交上の配慮などにより判断すべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべき」との統一見解を示しており、文部科学省は審査基準について「高等学校に類する教育課程を有するかという教育水準が基本であって、具体的教育内容は基準としない」としています。朝鮮高級学校が、文部科学省が示した審査基準を十分に満たしていることは明らかです。私たちは、文部科学省が産経の歪曲・ねつ造報道などに惑わされることなく、高校無償化制度の趣旨や政府の統一見解、そして自ら示した基準にのっとり審査を公正かつすみやかに行い、朝鮮高級学校生徒への無償化を一日もはやく実施することをあらためて強く求めます。

 最後に、今まで、朝鮮高級学校生徒への無償化適用を求める私たちに惜しみない支援と協力を寄せてくださっている各界各層の多くの日本の方々に心から感謝し、今後とも朝鮮高級学校生徒への無償化実現まで、引き続きご支援、ご協力くださることを願っています。(了)