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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

「復興」のかけ声の陰で──青森・碇ヶ関の医療体制が破綻させられようとしています(署名のお願いもかねて)

とつぜんですが、大阪の詩人許玉汝さんから
署名のお願いがきましたので、お知らせさせていただきます。

このブログでも8月17日にアップした許さんのエッセイ「ふるさとへの道」(http://reliance.blog.eonet.jp/default/2011/08/post-cde1.html)に登場した「ふるさと」、青森県平川市碇ヶ関で、今深刻な医療体制の破綻問題が持ち上がっています。

「東北の復興」というかけ声の陰で、復興とは真逆の弱者の切り捨てが始まっています。過疎が深刻な町や村の多い東北で、恐らく他にも同じ小さな共同体に対する、経済優先による破壊が始まっているはずですが、その一つの碇ヶ関での具体的な事例を、許さんを通して私も知り、ショックを覚えました。許さんから聞かされなければ、知ることは出来なかったと思います。みなさんにもぜひ知っていただきたいと思います。

碇ヶ関の医療体制は、そもそもぎりぎりのものでした。

今年4月には地域に1軒しかない黎明郷病院が、今年4月に無床の診療所になってしまいました。しかしそれをも今年度来年3月31日をもって廃止にするという黎明郷側からの話が出たのです。これは、病院側の個別の意志以上に、震災を理由にした弱者切り捨てという大きな問題の現れではないでしょうか。

碇ヶ関の方々は、支所長はじめ行政委員の方々も力をあわせて、何とか廃止が決定する前に存続できるようにと、動かれており、皆さん必死で地域の方々に署名を集めているところです。

以下、この問題についての東奥日報の記事全文を貼りつけます。(ちなみに同紙HPの記事は次のURLにあります http://www.toonippo.co.jp/tenchijin/ten2011/ten20110921.html

署名用紙を添付させていただきますので、もしご賛同下さるならば、下記の住所またはFAXまでお送り下さい。大変急で申し訳ありませんが、28日着迄にお願い致します。

[E:shine]署名用紙PDF→1.xlsをダウンロード(市外の方は「平川市」を消してご記入下さい)
  送付先→郵送:〒038−0101 平川市碇ヶ関三笠山107の3
                   碇ヶ関総合支所 総務課 黒滝様宛て

                  FAX:0172−45−2354(碇ヶ関総合支所 総務課)

(以下、この問題を伝える東奥日報の記事全文です)

夜が明け、東の空が白々としてくる。黎明(れいめい)という言葉が心地よく響くのは、朝のすがすがしい気分をはらむからだろう。新しい時代のあけぼのに通じる。本県脳卒中医療の黎明期、旧碇ケ関村に黎明郷リハビリテーション病院が誕生した。

 舌をかみそうな名前だと言われたのも無理はない。温泉リハビリという言葉になじみがなかった。本県に多いアタリの患者を救うとともに、医学研究の拠点にと初代理事長大池弥三郎さんが意欲を燃やした。1966年、たった10床の村の診療所を使ってほそぼそと診療を始めた。

 意気込みはあっても、土地も金もない。県や地元碇ケ関村が支援の手を差し伸べた。村は病院建設のために1万4千平方メートルの土地を気前よく無償譲渡した。破格の厚遇案を議会はいったん否決、半年後にようやく認めた。当時の村長乳井栄さんの懸命の説得は語り草だ。

 不採算を理由に今、黎明郷碇ケ関診療所を閉じる話が持ち上がっている。弘前市に立派な脳卒中センターを造ったので医師をそちらに集めたいという。黎明の輝きはうせ、地域医療のたそがれがしのび寄る。「碇ケ関を日本一、いや世界一の健康長寿村に」という掛け声も聞かなくなった。

 開院したてのころ、平川があふれて村を水害が襲った。病院が断水して困っていると聞き、水をたっぷり入れた大だるをリヤカーに積んで、汗を流しながら届けてくれたのは大丸旅館の主人だったじゃないか。随分冷たいなあ。財団法人黎明郷よ、村人の恩を忘れたか。