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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

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朝日新聞朝刊27面(京都版)Image1041 
朝鮮学校等しく認めて  無償化除外反対 詩に反響

高校の授業料を無償化する日本政府の施策から朝鮮学校を除外しないよう求めるため、詩人や高校生ら約100人が寄稿して出版された詩集が反響を呼んでいる。増刷したが、すぐに完売。詩集に収められた詩の朗読会が各地で開かれており、無償化実現を求める声を後押ししている。(竹野内崇宏)

詩集は「朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー」(千円)。H氏賞受賞詩人の河津聖恵さん(49)=左京区=らの呼びかけで、79人の詩人や作家らが詩や短歌、俳句を寄せた。父親の会社で朝鮮半島の人々を雇っていた作家・辻井喬さんが差別の愚かさを訴える詩「オモニよ」を寄せたほか、別冊の小冊子には、京都朝鮮中高級学校(左京区)の生徒16人が自ら作った詩も収められた。

今年8月に自費出版された際に800部を印刷したが、予約段階で売り切れ、9月に増刷した千部も完売した。10月中旬の参院決算委員会では、朝鮮学校を除外することに反対する社民党副党首の又市征治参院議員が、菅直人首相への質問の際に、詩集に収められた詩の一つを引用した。

高校授業料を無償化する政府の施策は4月に始まり、朝鮮学校については当初、適用が先送りされていた。政府は11月上旬に無償化適用の可否を判断する手続きに入ったが、同月下旬、北朝鮮が韓国領を砲撃したことを受け、この手続きを停止させた。

この間、詩の内容に共感する声が広がった。先月、広島や京都の朝鮮学校で、高校生が、自作の詩の朗読会を開催。今月5日には、東京の朝鮮学校の支援グループから河津さんが招かれ、詩を披露した。

12日には、東京都新宿区で辻井さんら詩人ら16人が、詩の朗読会を開き、約150人が参加した。比較文化学者の四方田大彦さん(57)が、韓国語で「母国の言葉を学ぶことは、等しく無償であるべきだ」と訴えた。

「私たちにあるものは ないはずの差別である 私たちにないものは あるはずの権利である」。又市議員が引用した詩を作った高校3年生の安眠葉(アンミニョ)さん(18)は「日本人と変わらない高校生として生きていると社会から認めてもらいたい」という。

在日2世で、ハングル詩のサークルで創作活動を続けてきた許玉汝(ホオンニョ)さん(62)=大阪市東成区=は初めて日本語で詩を書いた。「決して誰も奪えない ウリハッキョ(私たちの学校) 心のふるさとを!」。「日本人の心に訴えかけるため、日本語で詩を作らないといけないと思った」と話す。

河津さんは「詩集を通して痛みを共感する輪がつながっていると感じる。まだ問題は解決されていないが、無償化問題に目を背けている人にも語りかけたい」と話す。