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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

ご挨拶(「東柱を生きる会」(二))

Th_0_6 昨日の会冒頭での私の挨拶原稿です。

ヨロブン、アンニョンハシムニッカ?
皆さん今晩は。今日はお寒い中ありがとうございます。
詩人の河津聖恵と申し上げます。
「東柱を生きる会」の主催者を代表してご挨拶いたします。
ちなみにこのチマチョゴリは奏者のチョンジャさんにお借りしました。
似合わないとは思いますが、
この晴れの日にユン・ドンヂュに一歩近づいた気持にもなっていますので、
よろしくお願いします。

この会は昨年末、尹東柱を愛する有志で立ち上げました。
たまたま出会った在日の方々と日本の詩人や詩を愛する人が意気投合して、
何かを共有してさらに交流の輪を拡げようということになりました。
まだ出来たてほやほやなんですが、
東柱の命日である2月16日を前にとにかく何かやってみようということで、
思いきって今日のような集まりを持つことになりました。

なぜ尹東柱だったということですが、もともと私自身も彼の詩が好きでしたし、
尹東柱というと、韓国の人も、朝鮮の人も、彼の詩を知る日本人も
表情が変わるというか、真剣に耳を傾けてくれるというのを知っていました。
みんな何か、彼が愛おしい友達のように語るのを、非常に印象深く思っていました。
さらに、京都は彼にゆかりの深い地ですから、
彼の詩を中心にすれば、おのづと何かが生まれてくるのではと考えました。

思っていた通り、声をかけると、多くの皆さんが、尹東柱のためにという気持で、
ほんとうに打てば響くように動いて下さいました。
準備期間は短かったですが、今回こうした晴れがましい集まりを実現できたことには驚いております。
忙しい中動いて下さった方々にここで感謝申し上げます。

会の基本趣旨としては、東柱の詩を共有点として色んな交流をしようということです。
今はまだ具体的には決まっていませんが、
例えば東柱だけでなく他の朝鮮の詩人をとりあげたり、東柱の生きた時代について考えたり、朝鮮と日本の関わりを探っていくこともできるのではと考えています。
さらに詩や文学を越えて、人としてよりよく生きていくという目的に向かって
みなが互いにいい触発をし合っていけたらと思っています。

この「東柱を生きる会」というネーミングですが、司会の��田さんがつけてくれました。
もちろん東柱のように生きるのは難しいとは思いますが、
この詩人を詩と人生の大先輩としてつねに意識して
今という時代に新しい友情の輪を深く広く拡げていきたいと思います。
今日はとにかく初の試みですので、
不備な点はあるかと思いますが、
東柱も見ている気持で頑張りますので
どうか最後までよろしくお付き合い下さい。