京都・雲ケ畑の、岩屋山志明院を訪れました。
二年くらい前に新聞で、ここに小さな岩屋に鴨川の源流地があり、祈祷されていると知り、ずっと行ってみたいと思っていた場所です。
北山杉がうっそうと茂る雲ヶ畑の最奥地でした。
時に忘れられた、というより、自然も集落の雰囲気も、
時が濃厚にいきづいていると思える場所でした。
門前に美しい花が咲いていました。
有名なシャクナゲも、赤い蕾を覗かせていました。
役行者がひらいた古えのままの、古色蒼然とした苔むした石段や石仏。
あるいは水の神のオーラをまとう龍の像。
歌舞伎で有名な「鳴神」も祀られていました。
「鳴神」を演じる役者は必ずここを訪れるとか。
源流は、山の上にある岩屋の中に、滴っていました。
闇に響く水滴の清らかな音に心を洗われ、静かな感動の念を覚えました。
敷地内は写真禁止でした。
写真は外にあるものばかりです。
和尚さんは、ダム建設から鴨川を守った方でもあるとのことです。
『ダムと和尚』という興味深い記録集も置いてありました。
鴨川の水源はまさに京都のいのちの源。ありがたいことです。
雲ヶ畑の集落の民家には「憲法9条を守ろう!」の大きな看板が掲げてあって、ちょっと胸を打たれました。
絶対鴨川を汚すまいと、かつては火葬も遠くで行い、今も合成洗剤は使わず油は流さない。
この地の人々の水への畏敬の念と平和への祈願は、深くつながっているのでしょう。
市中心部の有名寺社にはなかなかない、自然の神々への純粋な心を感じました。