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詩空間

河津聖恵のブログ。この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

脱原発は深い闇との戦い

本日付京都新聞朝刊「凡語」(「天声人語」のようなもの)がまた面白かったのでアップします。脱原発は、原発をめぐる「深い闇」との戦いの始まりでもあるのです。

                          
日本映画界のドン」とも呼ばれた東映名誉会長の岡田茂さんが亡くなった。「任侠もの」を数多くプロデュースし、大ヒットを飛ばした

岡田さんにぜひ映画化してほしかった作品がある。週刊漫画ゴラクに連載中の「白竜―原子力マフィア編」だ。原作はヤミ金融の世界を描いた漫画「難波金融伝・ミナミの帝王」で知られる天王寺大さん。主人公の白竜に記者が語る場面がある

原発の内部ではマスコミに発表されない事故が頻繁に起きている。配管工事はずさん極まりない。それをカネと権力で隠すのが電力会社の体質だ―。漫画ゆえ虚構や誇張が多く、せりふは刺激的だ

下請け労働者の日当ピンハネに、白竜の仲間は「ひでえ、ヤクザでもそこまではしねえ」と一うめく。しかし宮城県内のダンプ運転手に応募したあいりん地区(大阪市西成区)の日雇い労働者が福島第1原発でがれきの撤去をさせられたニュースに接すると、本当のことに思えてくる

作品中の記者は「もっと深い闇」を白竜に明かす前に何者かに殺された。出版社は「東日本大震災の被害状況に鑑みて」の措置として連載を3月18日発売号で中断したが、続きを読んでみたい。

菅直人首相は原発依存からの脱却を表明した。巨費と長い歳月をかけた原発政策の転換は、激しい反発を招くに違いない。原発の地元住民の思いも複雑だろう。胆力をふりしぼって「深い闇」に挑み、政策のかじを切ってほしい。