1841核を弄(もてあそ)ぶ大国の野心に核の悲劇つきつけたい 住めぬ大地と化したあの日の悲劇から思うこと
1842焦土と化した広島から見えぬ悪魔の爪痕探す運命(さだめ)負った医師の言葉にいのちの重み知る
1843底知れぬ泥より花を結ぶこと蓮の如くに大熊ならん
1844伝来の土地にしあれば捨てられぬ故郷という響きの哀し
1845まず謝罪そして反省罪償ういずれも出来ない東京電力
1846産業が危ない次は学問が廃れるという原子力ムラ
1847君が声我が身に届く今日ありて福島思うこころつなげん
1848呟ける死ねばいいのに簡単に死ねるひとなく死ぬるは悲し
1849反核を訴え続けたこの思いいつかは届け人の心に
1850どけゴルァいつかは歯牙にかけてやるイカす俺様の白いRV
1851またデモー?! わたし信号渡りたいのに何このひとたちしねばいいのに
1852キエフより汚染の酷いこの街にかげろうの命いまさえよければ
1853〈季語〉のみの季節逃れて土地離れ「おもろいおっちゃん」に出逢えて夏が
1854違いはあれど同じ空の下で生きているそんな気持ちになれたなら核を持つ野心や不安もなかろうて
1856屋根越しに響きぞとどく遠花火連歌つなげし詠み人おもう
1857桃果ある卓の白昼翳淡く唇ふれてよしやなしやと
1858蜩や天に崖ある日暮れどき集いし影とまけぬ声あり
1859色容(いろかたち)花は年々相似れど同じからずやこの惑星(ほし)の今
1860向日葵の空に向かいて今朝咲けど恨むが如き空に眼差し
1861花に葉に根にまた茎に愚かなる人の創りし毒蓄えて
1862人の世に原発要らぬ核要らぬ群星の如歌を連ねて(注:ひさかたに甲州の満天の星の下で。1863と1864も同じ)
1863自が為詠いし歌が拾われて銀河を創る塵の歓び
1864かにかくに瞬く星の多けれどたった一つの愚者たちが星
1865旧暦の七夕の夜の星星に見つめられているこの星の現在(いま)
1866星星に願いは言うな今はただ悪魔の竈明日こそ絶やさん
1867たかが「領土」このクニの幾多の民の明日をこそ護れ
1868暗き夜にも電子の風は運びくる数多の想い籠めしその歌
1869人を愛す想いが故に人詠う対極に立つ炉は要るまじと
1870人も郷土もクニさえ殺し続けんや悪魔の燃やすその暗き炉は
1871行水とともに夜濯ぎしぼり水蒸し暑き夜もここちよきかな
1872 握りたるこの手の中に入りたる 子どもらの笑み壊すまじ我
1873南相馬の享平医師(せんせい)闘うは放射能汚染とお役所仕事
1874自らは抗がん剤治療を受けながら子どもを守れる明日を目指す(1873へ返歌)
1875 きみとともに未来の絵を描きたい この惨禍を生き抜くために 未来にいのちつなげるために
1876君もまた未来に蒔かれた大切ないのちだから伝えたい 核の無意味さと核に弄ばれる怖さを
1877厚顔は専売特許メディア顔エログロ込で秀吉じゃ
1878老いてなお被曝の臨床に立つ老医師に医師の姿と気骨を教えられ.
1879愛の意味なぞらう時にあなたといたいと願う 核の傷あとに毅然と立ち向かう朋友(とも)だからこそ
1880幼子をモルモットと化す狂医師がよもや現実(まこと)に存在せしとは
1881幼子のいのちより名誉に走る医師たちよヒポクラテスの誓いを忘れたか(1880へ返歌)
1882微かにも響き無きしや色香りいのちの運び病むべきやと/とてもして遥かな響きとわいのち儚き浮世断ち消え行方/私来て私亡びて私成るいのちの行方愛の儚きに/留め往く愛の響きに一つ夢自由と平和真実叶え
1883不可触の建屋に来るやまた津波祈る以外に手だてはなしか
1884関電を敵に回して人気取りヤバくなったら再稼働OK
1885亡き殻と病気の子供を盾にしてそこまで儲けて逃げるとこあるか
1886消費税あげて被ばくもさせてみて負担は全部庶民に丸投げ
1887核兵器たくさん持ってるとえらい国これから持つと袋叩きさ
1888原子力世界中みな支配して病気も死者も知らぬ存ぜぬ
1889宇宙から放射能いっぱいきてるから俺が瓦礫を燃やすのOK
1890市民らが言うこと聞かねえうっとおしい大阪捨てて国を支配だ
1891府庁舎の耐震性がやばいので移転したらば地震で壊れた
1892デモするな俺の評判落ちるだろ俺が選挙で勝てないだろが
1893瓦礫でも燃やしてやろう市民ども俺の野望の邪魔だてすんな
1894我が身など捨て去りたくなる今日ありて 子らの明日の為に生きゆく
1895台風の襲来多きときなりて原発建屋の無事を願わむ
1896真夏日を乗り越えたまいし同胞の節電の努力原発不要
1897転ぶなら一人で坂をゴロゴロと なれど子どもを盾にする醜悪
1898政策もさながらコスプレ某市長脱原発も着脱自在
1899鴻毛の羽より軽き言の葉に言霊の国の荒れるを嘆く
1900困民の頭上を滑る言の葉の枯れてからからまろびゆくなり(1899へ返歌)