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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ひとは一つの詩とともに

ひとには生まれた時から、そのひとを見守る一つの神がいると聞いたことがあります。倶生神(くしょうしん)と言ったかと思います。ドイツ語の「ゲニウス」もそのような神を指していたのではないかと記憶します。 誤解を恐れずにいえば、詩もまた、一人のひと…

詩にとって孤独とはなにか(四)

私はどんな大文字の他者としてのコトバによって支配されているのでしょうか。それが遙かな昔から(まるで阿鼻地獄のように?)無数の他者が語り、囁き、黙り、うめき、叫んできたものだとすれば、今私が詩として書く言葉は、その他者たちの、無意識の闇に流…

詩にとって孤独とはなにか(三)

コトバとはよくも悪しくも大いなる他者だと思います。 今、ラカンの精神分析についてよく耳にします。そこにコトバを指して「大文字の他者」という用語がありますが、私なりにもそのような捉え方で、今コトバについて考えています。 私を支配しつづけながら…

詩にとって孤独とはなにか(二)

もちろん「関係性による自由」とはあらかじめあるものではなく、「ひとりの自由」の限界と不自由を痛感した後に、ようやくもとめられるものだと思います。その限界と不自由の自覚は、何らかの精神的な危機において滲むように生まれてくるのでしょう。 2004年…

詩にとって孤独とはなにか(一)

私の初投稿・掲載詩の根幹にあるのは、孤独感、反抗心、また同時に、反抗することのできない無力感や鬱屈した気分、だと思います。私がそうしたモチーフによってほぼ初めての詩を書いたのは、詩とは孤独感を訴えるもの、であり、詩作とは、コトバによって孤…

「高一時代」初掲載詩

月刊誌「高一時代」の投稿欄に初めて掲載された詩。選者は故山本太郎氏です。稚拙で恥ずかしいですが、ブログの気軽さに乗じ、記録もかねてここにアップします。 「浮遊物」とは何か正確にはもう分かりませんが。いわばなんらかの「集団的なもの」のたとえだ…

いつ、どうして詩を書き始めたのですか

先週の土曜日、ある会である人に、久しぶりそう問いかけられました。最近は詩を書く者たちも、そうしたナイーブな問いかけをお互いに省きあって、どんどん前にすすむ一方なのかもしれません。だから新鮮に意表をつかれた気がしましたし、そう問いかけられて…

詩「チンダレ」

チンダレ──空と風と星の詩人に さくら れんぎょう 雪やなぎ花がやわらかにひらかれていくやわらかにひらかれていく花はすでにひかりである 空である風 星 蝶々 わたし あなたふたたびめぐりくるのではないかつてひらかれはじめたものがうけとめられ韻きふる…

東柱の話(四)

昨年4月、桜が終わり京都が緑ゆたかな季節を迎え始めた頃、私は久しぶり比叡山に登りました。その時、なぜか乱暴にも東柱にこじつけてしまった、「不思議な」体験をしました。 まだ、花がきれいだなーっと余裕があった段階ですから、麓付近だったと思います…

東柱の話(三)

詩の背景には実際の出来事があります。(もちろん、言葉と事実の関連のほとんどは、後付です) ある暑い梅雨の晴れ間、私は白い帽子をかぶり、鴨川にかかる加茂大橋に佇み北山を眺めていました。鬱屈とした気持の中で暑熱の異常な予感を感じながら。「白い闇…

東柱の話(二)

2007年初夏、私は『文藝春秋』に一篇の詩を書きました。 プロメテウス−−尹東柱に 加茂大橋の欄干にもたれ 夏の北山をのぞむ(白い闇を抱え)私は帽子をまぶかに��死ぬ日まで天を仰ぎ�≠ニ呟く小さな人になる(誰もみない)遠近法よ 揺らげ…(緑は故郷のよ…

東柱の話(一)

この写真を見る 冬が去り春になろうとする頃、私の心の中で存在が色濃くなる一人の詩人がいます。 尹東柱(ユン・ドンジュ)(1917〜1945)。戦時下の日本へ留学し、私の暮らす京都の同志社大学に学んだ人。一九四五年二月、二十七才の若さで福岡刑務所で獄死…

尹東柱を語る、詩(うた)う、奏でる

☆お知らせです。 先日京都でたちあがった「東柱を生きる会」の初の催しです。 尹東柱を語る、詩(うた)う、奏でる 東柱を生きる会 立春を過ぎ、春の予感も感じられる夜、尹東柱が学んだ同志社大学のそばにある会場で、小さな「しのぶ会」を東柱ファン有志でひ…

ブログを始めます。

本日からブログを始めます。自分の詩的仕事や、日々生まれては消える詩への思い、憧憬、知覚、思考を、電子文字の鮮度を借りて、伝えていけたらと思います。ブログのタイトル「詩空間」はモーリス・ブランショの「文学空間」のもじり。次の言葉が好きです。 …

詩空間

[E:down]#連歌デモ ※投稿規定はhttp://reliance.blog.eonet.jp/default/2012/07/post-9dcf.htmlをご覧下さい。 *スタンディングバージョン(一人で五七五七七) 1君の“声”聴きしとき君は海を越え北の大地で時に鬱む 2闇深く“声”を灯して君はいた破壊され…