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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

2011-01-01から1年間の記事一覧

吉野弘『現代詩入門』(一)

いま、どのように詩を書くべきか──。 震災後、「もう詩を書くことなんか不可能だ、無力だ、あんな風景を前にして」 という声をよく聞きます。 しかし詩は今もやむことはありません。私の元にもほぼ毎日、同人誌や詩集が、時には何冊も送られてきます。むしろ…

11月12日講演「東日本大震災にとって詩とは何か」(二)

京都詩人会議における講演でのさいごは、質疑応答でした。 最初、「誰も手をあげないのではないか」と案じていましたが(というのも、これまでの経験上、詩の講演会の場合、余り積極的な挙手はないのがふつうですから)、 しかし何人もの人が、感想も含めて…

11月12日講演「東日本大震災にとって詩とは何か」(一)

11月12日にラポール京都にて 講演「東日本大震災にとって詩とは何か」というタイトルで一時間半にわたり、講演をさせてもらいました。 京都詩人会議主催。天気のいい観光日和の日曜日にも関わらず40名程が参集してくれました。皆さん、大変熱心に耳を…

嵯峨信之「歴史」

いい詩に出会いました。嵯峨 信之さん(1902年 - 1997年)の「歴史」。嵯峨さんは、「詩学」の編集長だったことでも有名です。 たまたま出会った詩です。1977年に発表された、18〜19歳の頃の作品。第一次大戦の際の青島出兵や、その後の山東出兵が背…

平松市長の独占手記「大阪は独裁・橋下知事に屈しない」

今日は大阪知事選の告示日ということです。市長選の告示日は13日です(両選挙実施日は27日)。隣県京都に住む私も無関心ではいられません。日々新聞記事やツイッターで目にする橋下知事の話からは大阪には独裁しか未来がないのかと暗澹たる気持になりま…

すみやかな無償化適用を強く求める、全国朝鮮高級学校校長会談話

●すみやかな無償化適用を強く求める、全国朝鮮高級学校校長会談話(11/08、午後2時から参議院会館) 全国朝鮮高級学校校長会 愼吉雄会長(東京朝鮮中高級学校校長)同 崔寅泰副会長(茨城朝鮮小中高級学校校長)東京朝鮮学園 金順彦学理事長東京朝鮮高級学校…

萩原恭次郎『死刑宣告』(二)

萩原恭次郎「地震の日に」(『死刑宣告』)。 タイトルから分かるように関東大震災をうたった詩です。 しかし正確には大震災の混乱の中で荒れ狂った「暴力」を暗示的に糾弾する詩です。 詩の内容を読めばすぐに分かります。首と胴体が離れて笑い合っている=…

萩原恭次郎『死刑宣告』(一)

萩原恭次郎『死刑宣告』。 このいわゆる代表的なアナーキスト詩人は、今まで名前を知っているだけでそれほど気に留めたことはありませんでしたが、きっかけがあって復刻版を手にしました。 写真の復刻版は、村山知義などの『マヴォ』グループの手になる奇抜…

11.12のためのメモ──または「詩と政治」についての覚え書き

昨日お知らせした11月12日は「東日本大震災にとって詩とは何か」という少し捻ったタイトルで話します。 今こんなことを考えています。まだしっかり固めていないのでかなりうろんなメモ的なものになりますが当日の導入はこれとさして変わることはないと思…

お知らせ:11月12日詩の教室「東日本大震災にとって詩とは何か」

お知らせです!詩の教室「東日本大震災にとって詩とは何か」 震災と原発問題を抱えた現在と、詩はどう向きあうのかを考えていきます。大勢の方のご参加をお待ちしています! 日時11月12日(土)13時半 場所ラボール京都(京都市中京区壬生仙念町30-2〔四条通…

寺山修司の青森・三沢をたずねて(二)

三沢市にある寺山修司記念館はとても素敵でした。 外壁にはたくさんのタイルが(寺山が高校生の時にたしか好きだった)花札のように埋め込まれていました。その一つ一つには絵や写真が描かれていたり、短歌や文章の一節が記されたりしています。あらゆるマル…

寺山修司の青森・三沢をたずねて(一)

少し前のことになりますが 先日日光へ行ったあとで、青森県三沢市にある寺山修司記念館を訪れました。(後日述べたいですが、私は寺山修司という詩人は、現在の日本の現実から言葉をあらためて立ち上げるための、とても大切な詩的ヒントを提示してくれている…

11月27日でソウルで開催される『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』朗読会へのお誘い

ソウルでの朗読会へのご案内 この11月に『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』ダイジェスト・韓国版が、彼地で上梓されます。韓国の詩人たちが『アンソロジー』から作品を選定して翻訳しまとめたものを、ソウルの出版社オルピョ社が刊行します。 今回の…

10月27日「ならっていいともセミナー」講演フォロー

昨日奈良人権部落研究所での「ならっていいともセミナー」で、許玉汝さんが「在日コリアンとして生きて」という講演をされました。そのフォローとして私も少し話をしました。そのおおよその内容を以下アップいたします。朝鮮学校の除外反対の活動を始めてか…

詩・石巻(二)

石巻(二) 河津聖恵矛盾だこの地を故郷とする遙かなひとびとがまだやって来ていないのに私の足は先んじて瓦礫をふみしだいている(その痛みはほんものか、ならばどのように伝えられるか) この地で生きてきたひとびとが草のように根こぎにされたのに背後に…

『環』47号(藤原書店)に「詩獣たち」連載第四回「アウシュヴィッツ以後、詩を書くのは野蛮か──パウル・ツェラン」を書きました。

『環』47号(藤原書店)に 「詩獣たち」連載第四回「アウシュヴィッツ以後、詩を書くのは野蛮か──パウル・ツェラン」を書きました。 前回の中原中也との関連は、やはり「うた」というモチーフです。 中也は詩でしかうたえないうたをうたった幼獣でした。そ…

思想運動」879号(2011年10月15日付)に『ハッキョへの坂』の書評が掲載されました

「思想運動」879号(2011年10月15日付)に、『ハッキョへの坂』の書評を掲載されましたので、転載させていただきます。同詩集の思いと方向性を、大変的確に掬い取ってもらいました。 『河津聖恵詩集 ハッキョへの坂』深淵を越える「私」の共感 山…

若松丈太郎『福島原発難民─南相馬市・一詩人の警告1971年〜2011年』(コールサック社)

原発は一体今どんな状態なのでしょうか。 本日の新聞には「原発輸出 当面撤退せず」とありますし、昨日だったか事故収束予定より早く達成されそうだという報道も。しかし冷却作業はまだ続くでしょうし何よりもあふれつづける汚染水はどうなることかと心配で…

10月8日辺見庸講演「それでも死刑は必要なのかー3.11の奈落から考える」

10月8日、東京新宿区の牛込箪笥区民ホールで 辺見庸講演「それでも死刑は必要なのかー3.11の奈落から考える」を聴きました。 世界死刑廃止デー(10月10日)を記念した集会の第1部です。(残念ながら時間の都合で後半部の120名の死刑囚のアンケー…

日光写真�C鬼怒川温泉「月あかり花回廊」

鬼怒川温泉のイベント「月あかり花回廊」。京都の花灯路を参考にしているとのことです。この日が最終日でした。闇深く、光は美しく。 また、温泉にも入ることができました。露天風呂では、しっとりとした夜の底で、すばらしくまろやかな水の感触を楽しむこと…

日光写真�B小杉放菴記念日光美術館

「森の図書館」の扉は、小杉放菴記念日光美術館で今香川大助さんと共同展示中の、小坂憲正さんの作。お二人とも日光在住。小坂さんは、扉の回転による発電なども考えられているそうです。まだ三十一才の香川大助さんの作品はまさに現代の絵師。 ※この美術展…

日光写真�A森の図書館

チロリン村の「森の図書館」。一人一冊、大切な本を寄贈するという趣旨で蔵書を集めています。私も『新鹿』を寄贈しました。

日光写真�@チロリン村のかき氷と氷室

左はチロリン村で食べた天然氷のかき氷。驚きました、かき氷がまさに果物の触感。 右は氷を作っているチロリン村村長の徳次郎さんの氷室。

10月2日、光の土地日光をめぐりました

10月1日の朗読会・講演会で、私は初めて「自覚的に」日光という土地を訪れました。 東京で生まれ育った私は、三歳の時に家族旅行で訪れています。高校一年の時の親睦旅行も日光でした。しかし日光という土地がどのような場所であったのか、明確な記憶はあ…

10月1日に日光で行った「原発と震災」をテーマとした講演会・朗読会のご報告

大変遅くなりましたが、日光での講演会・朗読会のご報告です。 といっても、まだ私自身の報告の文章は出来ていません。すでに参加されていた方、主宰者の方の、客観的ですばらしい報告があるので、まずそちらをぜひ御覧いただきたく、紹介させていただきます…

10月3日付京都新聞朝刊・「詩歌の本棚」

10月3日付京都新聞朝刊・「詩歌の本棚」 河津聖恵 九月初旬、韓国・鎮海(チネ)で行われた「キムダルジン文学賞」授賞式で、日本からの招待詩人の一人として詩の朗読をした。韓国、フランス、モンゴル、中国の詩人達も一緒に母国語で朗読したが、彼らの朗…

「詩と思想」10月号に評論「「死者にことばをあてがえ─詩人辺見庸のことばが触発するもの」を書いています。

「詩と思想」10月号が届きました。特集は「東日本大震災─悲しみをこえて─」。震災を記録する詩100編。宮城の詩人・佐々木洋一氏インタビュー。被災地からりレポート。高銀氏はじめ韓国詩人からのメッセージ。小特集は萩原朔太郎。 私も震災特集の一環とし…

「詩と思想」の評論が紹介されました

「詩と思想」の評論を、明後日の日光での講演会の主宰者である富岡洋一郎さんがご自身のブログ「砂時計主義」で紹介してくれました。講演会についても再度周知していただいています。ぜひ御覧下さい。 [E:shine]URLはhttp://nikkosunadokei.cocolog-nifty…

碇ヶ関診療所存続を要望する署名用紙(PDFファイル)です

昨日のブログ記事内のダウンロードが難しいという声がありましたので、あらためてPDFファイルにて碇ヶ関診療所存続を要望する署名用紙をダウンロードできるように致しました。昨日のブログ記事内容に賛同して下さる方は、ぜひ署名用紙に署名して頂き、下記ま…

「復興」のかけ声の陰で──青森・碇ヶ関の医療体制が破綻させられようとしています(署名のお願いもかねて)

とつぜんですが、大阪の詩人許玉汝さんから署名のお願いがきましたので、お知らせさせていただきます。 このブログでも8月17日にアップした許さんのエッセイ「ふるさとへの道」(http://reliance.blog.eonet.jp/default/2011/08/post-cde1.html)に登場し…