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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

2020-01-01から1年間の記事一覧

『現代詩手帖』12月号・論考「詩という一輪の鋼の花」

『現代詩手帖』12月号には、一年の展望という趣旨で、論考「詩という一輪の鋼の花」を書きました。この「鋼の花」は石原吉郎の詩「花であること」からのイメージ。神品氏との対談でも出た木島の「断絶」と、石原の「断念」は、戦後もコロナ禍の今も、詩が身…

『詩と思想』1・2月号 詩人木島始をめぐる神品芳夫氏との対談

『詩と思想』1・2月号で、戦後詩誌グループ『列島』の代表的詩人木島始をめぐって、詩人・独文学者の神品芳夫氏とメール対談しています。神品氏は『木島始論』を上梓され、私は黒田喜夫論を書く際に、木島さんを「再発見」しました。この遊撃的社会派詩人の…

HP「詩と絵の対話」閉鎖のお知らせ

HP「詩と絵の対話」は、来たる12月25日20時をもって閉鎖することになりました。未見の方は期限までにぜひご覧下さい。 https://www.shikukan.com

詩論集『「毒虫」詩論序説』書評⑨

図書新聞3470号(11月7日発行)に、宗近真一郎さんが素晴らしい書評を書いて下さいました。 宗近さんの論は、その時々のテーマについて書かれた錯綜した諸論を、今この時に現代詩に突きつけられている根本的な問題によって、鋭く刺しつらねています。政治と文…

11月16日付京都新聞朝刊文化面「詩歌の本棚・新刊評」

詩は遥かな他者への投壜通信だと言った詩人がいる。至言だが、一方身近な他者も詩の重要なモチーフである。だがそれを詩に描き入れるのは決して易しくはない。小説やエッセイとの違いが問われるからだ。詩でしか見いだせない他者との関係とは何か。 東川絹子…

水田宗子『詩の魅力/詩の領域』(思潮社)

水田宗子さんの新エッセイ集『詩の魅力/詩の領域』(思潮社)は、詩というものの人間にとっての存在理由を、沈黙、深層意識、身体、記憶といった根源的な次元から思考の光を照らして浮かび上がらせた、今非常に重要で興味深い一冊です。 私自身、じつはこのと…

詩論集『「毒虫」詩論序説』書評⑧

共同通信配信による書評が、長崎新聞(9月20日)、千葉日報(9月22日)、信濃毎日新聞(9月26日、写真)に掲載されました。

2020年10月5日京都新聞朝刊文化面「詩歌の本棚/新刊評」

夢の世界を列車で旅するという設定で詩を連作したことがある。詩の自由が未知の時空を開いていく喜びを、今も思い出す。自動筆記のように虚空から次々と湧き出す不思議な駅名や光景。それはどこか悲しみを含む至福の時間だった。 浅井眞人『烏帽子山綺譚』(…

詩論集『「毒虫」詩論序説』書評⑦

先程「現代詩手帖」10月号の福田拓也さんの評を紹介しましたが、同号には宮尾節子さんの書評「翅毟り、詩撃ちー河津聖恵『「毒虫」詩論序説』」も掲載されています。「翅毟り、詩撃ち」という大変印象的なタイトルに込められたものは、まさに私が言わんとす…

詩論集『「毒虫」詩論序説』書評⑥

「現代詩手帖」10月号の詩書月評で、福田拓也さんが『「毒虫」詩論序説』について評して下さいました。黒田喜夫や清田政信をめぐる煩瑣な文脈が、タイトルの「毒虫」と照らし合わせて的確に辿られています。末尾の以下の一節に背中を押されて、『序説』の先…

詩論集『「毒虫」詩論序説』書評⑤

Facebookの友人の梶野聡さんが書評をウォールにアップして下さいました。本書全体の文脈を、非常に的確かつ綿密に追いつつ、第三詩論集『闇より黒い光のうたをー十五人の詩獣たち』からの大きな流れの中で捉えて頂いています。作者の私も我が意を得たりとい…

詩論集『「毒虫」詩論序説』書評④

9月5日付東京新聞及び中日新聞夕刊に、詩人の杉本真維子さんによる『「毒虫」詩論序説』の書評が掲載されました。

8月26日朝鮮新報・「『怯懦』の呪縛を解いて」

8月26日付朝鮮新報に「『怯懦』の呪縛を解いて」と題された、私の意見が載りました。連載「幼保無償化適用を・『多種多様』を問う」の第8回です。私が大まかに書いた内容を的確にまとめていただいたものです。

詩論集『「毒虫」詩論序説』書評③

8月31日付京都新聞文化面(共同通信配信)に、城戸朱理さんによる書評が掲載されました。

詩論集『「毒虫」詩論序説』書評②

8月26日付しんぶん赤旗文化面に、詩人の佐川亜紀さんによる書評が掲載されました。

詩論集『「毒虫」詩論序説』書評①8月26日付朝鮮新報

8月26日付朝鮮新報文化面に、文芸評論家の卞宰洙(ピョン・ジェス)さんによる書評が掲載されました。

HP「詩と絵の対話」を更新しました。

HP「詩と絵の対話」を更新しました。 今回のゲストは宮尾節子さん。南アフリカ出身の画家マルレーネ・デュマスについて書いて下さいました。 自分がなぜこの異色の画家に共鳴したのかー自身の奥底にあるその理由を、宮尾さんはまさに現在進行形でスリリング…

2020年8月18日京都新聞朝刊文化面「詩歌の本棚・新刊評」

詩を書く時、多くの書き手は白紙状態で詩を待つだろう。特に聴覚を鋭敏にして。私が考える詩作の実相は以下のようだ。まず日常で最も酷使される視覚を閉ざし、書き手は全身で耳を澄ます。詩の根源である未知の世界から音や声を感知するまで。耳を澄ます姿勢…

『「毒虫」詩論序説ー声と声なき声のはざまで』(ふらんす堂)について今思うこと

新著の版元であるふらんす堂の山岡喜美子さんのブログhttps://fragie.exblog.jp/31284757/ に以下の文章を寄せました。ちなみに山岡さんのブログでは、新著の造本についても詳しく紹介されています。 『「毒虫」詩論序説ー声と声なき声のはざまで』(ふらんす…

第4詩論集『「毒虫」詩論序説ー声と声なき声のはざまに』が本日出来上がりました。

第4詩論集『「毒虫」詩論序説ー声と声なき声のはざまに』(ふらんす堂)が本日出来上がりました。 2015年から2019年にかけて発表した、詩論、エッセイ、書評、時評を収めました。 「詩は『毒虫』の声の側にある。正確には『毒虫』の中の人間の声、つまり毒虫化…

2020年7月6日付京都新聞朝刊文化面「詩歌の本棚・新刊評」

自分が京都の地で詩を書くとはどういうことか。あるいは詩を書くことと、自分が生きる土地とはどう関わるのか。詩作にとって実は大切なこの問いへの一つの答えを、『詩の立会人 大野新随筆選集』(外村彰・苗村吉昭編、サンライ出版)に見つけた。没後十年を機…

近刊『「毒虫」詩論序説ー声と声なき声のはざまで』のお知らせ

お知らせです。 私の四番目の詩論集が、来たる7月14日に上梓されます。現代詩についての論集としては、恐らく最後のものになると思います。版元、装丁、装画、作者全て女性の本です。結果的にそうなりましたが、内容からも必然だった気がします。 ご関心があ…

HP「詩と絵の対話」更新

HP「詩と絵の対話」更新しました。今回のゲストは君野隆久さん。難波田史男という1974年に32歳で「この世から消えた」画家について、エッセイを書いていただきました。私は若冲の絵「芍薬群蝶図」をめぐる詩とエッセイを書いています。どうぞご高覧下さい。 …

2020年5月18日京都新聞・「詩歌の本棚/新刊評」

今ウイルスという極小の存在が、人と現実との関係を根本から動揺させている。詩を書く者もまた揺るがずにはいられない。だが詩を読んだり書いたりすると不思議と心は鎮まる。詩は言葉という極小のものと人との関係に重心を持つからだと気づく。恐れや不安よ…

「二重の空虚、未曾有の自由ー『八田木枯全句集』を読む」(『ふらんす堂通信』164号)

『ふらんす堂通信』164号に「二重の空虚、未曾有の自由ー『八田木枯全句集』を読む」を書いています。俳句について初めて書いた文章です。木枯俳句が明かす五七五の生命力と、十七音に絡み合う空虚の魅惑。句から想像される三島由紀夫への思いにも触れました…

李龍徳『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』(河出書房新社)書評 2020年5月17日付「しんぶん赤旗」

増え続ける外国人への憎悪犯罪に対し、いまだ抜本的な対策が取られない日本。その今を生きる在日三世の作家が、近未来のディストピアを生きる同世代の苦悩を、息詰まる会話と展開によって描き出す。今からほんの先の未来、特別永住者の制度は廃止され、外国…

宇梶静江『大地よ!』(藤原書店)書評 2020年5月10日共同通信

八十七歳の古布絵作家・詩人が同胞への遺言として綴った自伝である。 北海道のアイヌ集落に生まれた作者は、幼時から農業や行商に明け暮れる中、カムイ(神々)と共に生きる大人たちの姿から、民族の精神性を魂に刻まれる。だが旧土人保護法以降尊厳を根こぎ…

HP「詩と絵の対話」更新

HP「詩と絵の対話」を更新しました。 https://www.shikukan.com/ 今回のゲストは水島英己さん。ブリューゲルの絵とその絵に触発されて書かれたオーデンの詩を取り上げ、「災厄」への両者の眼差しの違いを捉えながら、現在の新たな「災厄」と向き合うヒントを…

2020年4月6日付京都新聞文化面「詩歌の本棚・新刊評」

羇旅歌というジャンルがある。旅の体験や感慨をうたう詩歌で、『万葉集』が始まりとされる。十年以上前、私も紀州・熊野を幾度となく旅し、京都に戻るたびに詩を書くという体験を続けた。彼地の様々な美しさへの感動を、それが醒めやらぬうちに机上で言葉に…

2020年2月17日京都新聞文化面「詩歌の本棚・新刊評」

先月京都で伊藤若冲の展覧会を見た。絵師の目と技が生き物から引き出した命の輝きが、二百数十年後の今に溢れていた。これは詩の輝きではないか、詩人も言葉で心情にイメージを与える絵師ではないか―思いはいつしか詩へ向かった。 宮せつ湖『雨が降りそう』(…