#title a:before { content: url("http://www.hatena.ne.jp/users/{shikukan}/profile.gif"); }

河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

#連歌デモ1565~1594

※全行程はHP(http://reliance.blog.eonet.jp/default/shikukan.html)にて御覧いただけます。

1565蝉時雨傷みのごとく聴き入るる人もいるらん盆を迎えて

1566蝉時雨聴覚のみがつのりけり誰も戻らぬ村を思えば 

1567初めての参加の友からメールあり 「また誘ってね『原発ゼロ』行動」

1568連なりて繋がって往く紡いで往く終に見果てぬツイートの夢

1569痩せ細りし犬たちが最期に見たものは 楽しく過ごした家族たちの笑顔か

1570避難指示に犬繋ぎしまま逃げ来しと泣きたる人のその後は如何に

1571原発を止める力をそだてようあらゆる人と繋がることで(1570へ返歌)

1572未来への贖罪こめて原発比率0%のパブコメを出す

1573ほめられなくても強く美しく咲き誇れ深い悲しみの中に咲いた名もなき花よ

1574盆の雨即座にわかる誰しもが悔しいんだな涙なんだな 

1575早寝して目覚めし夜にTLあり移り行く世に思い重なり

1576拙速は拙劣為すと憤怒する発火の夏はお盆を迎え

1577いまもなお彼の地は熱に糜爛せり脈打ちあえぎ嗚咽をもらし

1578本性を見抜かれながらも寄り添うて野太鼓担ぎて「これでよい」ノダ

1579あの遠い崩壊爆発噴出は命の沃土に爪を突きたて 

1580漠とした不安はやがて呪詛となり瘴気となって侵蝕すすまん

1581波の花散りにしあとをこととへば千変万化惨たらしきかな(本歌:豊臣秀吉奉納歌@下関、阿弥陀寺「波の花散りにしあとをこととへば昔ながらに ぬるる袖かな」(地震津波だけでも辛いのにフォローされない人災は……)

1582波の下みやこありても黒い雨降りては御霊嘆きやまぬと(本歌:長門本平家物語「今ぞ知る身もすそ川の御ながれ波の下にもみやこありとは」)(供養にかえて)

1583けなげにも笑顔でいる吾子のその目は何もかも知って知らぬような無邪気さと淋しさをたたえて

1584君と体を重ねし時さえも核の見えぬ傷を隠して夜を迎えたり

1585いのちのらせんの中に潜みし核の傷七代先まで体の中を弄ぶ(もてあそぶ)かな

1586敗戦を終戦と言い換える小狡さが「脱依存」なる妄語を産めり(注:敗戦の日までとっておくつもりが、今朝あまりにも酷い「菅ブログ」を読んで、思わず前倒し。1587、1588も同じ)

1587官の字に草冠を被れども隠しおおせぬ官の本性

1588美しい月の満ち欠け数えつつ育つ命に忍び寄る毒 

1589 美しい月よ儚くも優しく照らせいつまでも新しきいのちをはぐくむ者のために(1588へ返歌)

1590ここもまた離れてあるや佐渡の国今はしばしの清浄の地

1591岸に並んであるや放射物しばしの昔荒海の国 (1590へ返歌)

1592あなたが来てくれた そんな感覚が不思議でうれしくて ありし日のあなたの思い出にそっと手をのばせり(1560「盆の朝障子を歩く風があるお帰りなさいお帰りなさい」へ返歌) 

1593募りくる蝉の声聴く入り混じり声なき歎き囁く朝は(1566「蝉時雨聴覚のみがつのりけり誰も戻らぬ村を思えば」へ返歌)

1594箒目に千筋の風よ盆の道浪江にも吹け双葉にも吹け