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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

3月29日付京都新聞「一日2食、鉛敷き睡眠 原発作業員400人」

福島第一原発では、冷却水を注水しつつ、汚染水を排出しなくてはならないそうですが、たとえそんなアクロバットな作業が可能だとしても、いつまでそれを続ければいいのでしょうか。では、下記の400人の生命が苛酷な現場で危険にさらされているのは何のため?

一日2食、鉛敷き睡眠 原発作業員400人 
                                              (3月29日付京都新聞朝刊)

 水1・5リットル、クラッカー、パックジュース、乾燥米、缶詰―。東京電力福島第1原発で、復旧作業にあたる東電社員らが一日に国にする食事だ。一日2食。下請けも含めた約400人は夜になると原発敷地内の建物に集まり「がんばろう」と声を掛け合ってから、身を寄せるようにして眠る。
 22〜26日までの5日間、作業状況確認のため第1原発に滞在した経済産業省原子力安全・保安院の横田一磨統括原子力保安検査官が28日、作業員の様子を明らかにした。
 全ての作業員は免震重要棟と呼ばれる建物で寝泊まり。朝6時前に起床し、朝食として配られる非常用クラッカー約30枚と、野菜ジュースのパック(180ミリリットル)を取る。22日まで、一日分の水はペットボトル1本に入ったミネラルウオーター1・5リットル。物資が届いた23日からは、望めばもう1本もらえるようになった。
 朝食後は敷地内のそれぞれの持ち場へと散っていく作業員。放射性物質に汚染される恐れがあるため、敷地内に飲食物を持ち出すことはできない。昼食は抜きだ。
 午後5時ごろ、作業を終えて免震重要棟に人が集まってくる。被ばくの恐怖。一進一退の復旧作業。誰の顔にも疲れがにじむ。夕食は「マジックライス」と呼ばれる非常用乾燥米と、鶏肉や魚の缶詰1缶。ミネラルウオーターを沸かした湯を乾燥米のパックに入れて約15分、出来上がった夕食を作業員たちは黙々と食べる。「もう少しいいものがほしい」とこぼす作業員も。
 午後8時からは全体会議でそれぞれの作業の進捗(しんちょく)状況を報告する。最後に、その日の作業が無事に終わったことを確認した発電担当幹部の音頭で手締めをするのが、いつの間にか慣例になった。「がんばろう」。皆が自分に言い聞かせるように声を上げる。
 建物内は毎時2〜3マイクロシーベルト。寝床は会議室や廊下。汚染の可能性がある床からの被ばくを防ぐため、鉛の入ったシートを敷いて、毛布にくるまる。ほとんどの作業員は1週間で交代するという。