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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

#連歌デモ2332〜2397

※全行程はHP(http://reliance.blog.eonet.jp/default/shikukan.html)にて御覧いただけます。

2332君が代は 「天」には非ず 現世ゆえ迷いはつきぬ 浮世なりせば((注:右の連中だって(真面目な奴ほど多分)迷ってると思う今…)

2333原発の災害おこりてかえり見る報道写真家福島菊次郎の生き方(映画「ニッポンの嘘」に寄せて。2334と2335も同じ。)

2334長き世を真実の眼というカメラにて切り取りたるや戦後を糺して

2335隠されし広島の被爆者の哀しみと福島の被曝の罪を晒せる

2336悲しみと嘆きの果てに君よ思え知らざりしこと知ろうとせぬ罪

2337自戒込め我思う知ろうとせぬ罪は無知より重きことと 我もまたその中に数えられし罪人であると(2335へ返歌)

2338逝く夏の空さわやかに影もなし眼に見えぬものなきがごとくに

2339これ以上地球をいじるな人間よ中国ソ連アメリカよ人工衛星張り巡らせ一体何を覗き込む?/アメリカよ地球の核まで見たいだろう金星に行くより遠いか地の底は/DNAいじれば人は生まれるか花や鳥魚も獣も創れるか我々は創られし者唯宇宙には謙虚であれ

2340あれ以来変わり果てたる海岸線藻のエネルギー復興の鍵 

2341傷ついて今満身創痍の福島よ我が心には元気な頃の御前の面影多々浮かぶ込み上げて来る旅情の思い出/喜多方に唯深々と降り積もる白く眩しい雪の華当て処無く/一人踏みしめ歩く足音キュッキュと雪が鳴り/どか雪の積もる山々会津大内宿囲炉裏囲んで心を暖め

2342夏草の楢葉の町を風がゆく悲しみ晒す人の居ぬ町

2343最早戦後ではないニッポンの嘘を暴けれ福島原発

2344「永眠せる」と書かれしカルテの温もりや君被爆者の人生を生き抜く

2345957年「現在の臨床医学の面では治療不能である」と退院させられた被爆者今日甲状腺のデータを操る医師も言うなり

2346産土の愛する自然を汚されて先祖の故郷を追いやられ国よ一体何処へ行けと言うのか福島に/東電よ御前には福島に新しい国を贈って欲しい/愛の無い科学の実験台にさせられて現代のアウシュビッツにしたいか福島を/福の無い不運な県に誰がした暮らす人達皆救助せよ

2347福島の阿武隈川に鮭上がり土産に買いたる紅葉漬け/香しき桃の仄かな甘さ秘めその街は乙女の如きに頬を染め/相馬には宍道湖の如き海水淡水混じりたる湖有り大平洋沈む夕日に悔し涙落つ/那珂湊提灯アンコウ揚がる冬吊るしたる魚部屋の隅鍋の中では肝が煮え

2348郡山カタクリの花の紫を初めて見たるその街に氷の風が吹き荒れる暑い夏/会津盆地を彷徨へば色とりどりの立ち葵微笑み迎えて蝉しぐれ/山の奥蓮の咲く音聞ける寺あり夏の午後ポーンという音しじまの中にこだまする/山を越え谷を越え行く磐越西線長閑也

2349投書欄に本当の事が書いてあった思い紡げばみんな仲間だ(注:国が「原発やめます」「食品はできる限り検査します」「東電は破産処理します」「作業員の人たちを大切にします」「子どもを守ることを第一に考えます」などなど、当たり前のことをやってくれたら意見公募なんて必要ないのです。)

2350福島の人々たちよ今日もまた共に生きる言の葉綴る

2360あなたがそこにいる限り私は文字であなたと共にいたい 言の葉が朽ちたとしても また今日の言の葉を綴るから(2359へ返歌)

2361福島を照らす今日の言葉あり絆ではないそれは悲しみ

2362絆という言葉の押し付けにあまたの子らが今も被曝せり 親の嘆きを思うとき何が経済 何が政治ぞと我叫ぶ 子らを大切にせぬ国に未来などなかろうにと(2361へ返歌)

2363福島を忘れないでとひとの言う忘れないから忘れないから

2364福島を忘れるには難しいほどに愛おしい だからこそこの悲しみを書く詩をカンバスにして今日もまた(2363へ返歌) 

2365心の財産を…と優しく語りかけたあなたの声が 今でも心の奥底で種火となりしかな 

2366秋風も運ぶ連歌の紙礫我が原発の明日無きを祈り(注:さて、『#連歌デモ』の到着が待ち遠しい。ツイートの流れの中で出会った歌達に、書物の中で再会する。未だ衰えぬ流れの傍らで。2367と2368も同じ。)

2367この歌は民草我らが縒り合わせ原発縛る縄となる歌

2368アメリカの先住民族インディアン7代先迄子孫を想い部族の未来を決め歩む/原発は出来て高々40年孫を待たずに崩壊の道/もしも今部族の長老来たならばこの事故不始末なんと言う子孫の為にこの島を去る/この星に住む人々の心曇れば怒れる大地の浄化が始まる

2369出る杭を打てるものなら打って見よ恐れを知らぬ天邪鬼敵は多いが味方も多い信念を貫き通し我が道を行く/討論会皆んな良い子に成りたくば差し障り無く知らぬ存ぜぬ何も決まらず何も変わらず/そんなにも他人に嫌われずに生きたいそんな人ほど嫌われる今の日本は正念場

2370君もまた大切な大切な宝だと言われ育てられたいのち 呼び方違えど言葉は違えどこの世に出した父母が愛したかけがえのないいのち

2371この先は神話の如く伝えむかあれは原発侵すべからず

2372インディオが 古(いにしえ)より言い伝えの如く 子から孫へと例えて伝えよ 大地は母と 母の体を刻むのかと(2371へ返歌)

2373日が暮れて夜の帳も早く下り藍の夜空が包む街角家々に夕げの白煙立ち上り/秋の夜の家族の団欒夕げ時この家は何を食うかと思い煩う/懐かしむ何事も無き秋の夜実りを祝う収穫の秋/秋刀魚から焼けて煙が舞い上り火事と見紛う秋の夜今年ばかりは急ぎ足で過ぐ

2374呟きの海に吐息を吹きかけて音無き水紋輪になり広がる/この海で心の震えを表わせば見知らぬ友らのこだまが応える/水の中空気の中より迅速に伝わる想い稲妻の如し/岩陰に隠れて生きる小魚の吾荒波をかわし藻草の陰に潜み長年親しき友にも逢わず接さず  

2375摩訶不思議奇跡に満ちたこの宇宙余りの奇跡の連続に何が奇跡か忘れ去る日々/産み出され生かされ今日も生き続く時を刻みし我が心臓健気に走る天寿の線路/幼子は生まれる前の霊の国その芳香を今も醸し我々が忘れた国に優しく誘ふ/迸る奇跡の海を我渡る

2376無邪気なる笑顔に金の朝日浴び笛の如くに澄み渡る声国の行方も知らぬ幼子/この国の険しき今に生まれ出て小さき希望を与える天使/生きている唯それだけで良いのだと唯在るという喜びを知る/何時の世も幼き笑顔に人は癒され自らの無垢なる時を想い夢見る

2377優しい歌をうたう幼いきみの声にふと感じるんだ 生まれてきてくれてそれだけで素晴らしい奇跡なのだと

2378いづれ誰かと結ばれる君よどうかそのときは獅子となりて見えぬ悪魔から妻子を守りたまえ

2379看板に脱原発と掲げつつ大飯動かすワカッチャイナイ

2380君の小さな手を触ったあの日から僕は想う 遠く離れても僕らはどこかで同じ星を見ている父娘だと

2381真心も誠も教えぬ学び舎が如何なる人を育みて国を導く大器を生めよう/学問も法律経済数式も誠無しには光らぬランプ/待ち望むたとえ学士は持たねども真一文字の武士の魂/荒波を超えたその後辿り着く希望の島は視界に入らず/大いなる者に預けしこの命

2382赤信号皆で渡れば怖くない瓦礫でも皆で分ければ怖くない/嘆かわし貧しき発想日本人国を滅ぼす迷案ばかり/残された清らかな土地を汚すまい我が家を追われた人々の為に残されし地に国を創ろう/天皇よ何故にあなたはおわします神武の如く国の光となりて導く 

2383京よりのインクの薫りの合間にも“隙”を残して歌誘わん(注:歌集が出来る。印刷屋さんから2点のお詫び事項。)

2384民草の京に集いて束となり津々浦々に想いを伝え(2383へ返歌)

2385生業の海売りし海の民に手放した海は戻らず/太平洋の青き海魚を殺める毒は広がり/太平洋海に境はなかりけり潮続く先はハワイ・アメリカ/母なる海を汚す罪海龍神の怒りに触れる/魚にも人にも奇形が生まれ出て DNAが悲鳴を上げる/守り給へ母なる海の永久の命

2386津々浦々地震に揺らぐ核燃料原発プールの波紋は冥(くら)し(注:全国の約6割の原発で、数年間稼働すれば使用済み核燃料プールが満杯になるというニュースに触れて)

2387福島は山あり海あり沢と清流温泉豊富な良き所/山里を愛する者を踏みにじり悪の科学が大地を汚す/山菜やキノコも最早食えないと嘆く山人街に下り/風光明媚守り伝えた日本の素顔帰って来るのは千年の後/山里の豊かさ溢れたこの県が今は避けられ嫌われる寂しさ

2388星の数だけの喜び悲しみがあったんだあの街にあの場所に沢山の思い出とともに
2389柔肌に産毛を生やす白桃を我が子の如くに愛でる農婦よ/我が庭で手塩にかけて育て上げ世に送り出す命の果実/震災の前まで憩いの里の山たわわにつけた桃の実を喜ぶ/里山に悪夢の如き毒の風吹き抜けて行けば灰色の山/我が子を送る母の如く桃を見送る人の愛

2390言葉あり言葉を殺した原発をそれでも訴う言葉ありしと

2391フクイチの言葉は暮らしの墓標にて村を割りつつ家族割りつつ(2390へ返歌)

2392この惑星(ほし)の創を拓く言葉ありて今この惑星(ほし)の終幕を告ぐやつ(2390へ返歌) 

2393言葉を殺され封せられても誰かが命がけで喋ろう詩人の尹東柱の如く(2390へ返歌)

2394原発の土地買収で財をなし飲めや歌えの大宴会/土地を売り国をも売りて快楽に耽る宴の夜は幻/一代で使い果たした土地の金孫の代には多すぎたツケ/東電の接待受けて百姓は竜宮城の夢に溺れる/今分かる夢から醒めた玉手箱立ち上る煙の毒に青ざめ倒れる

2395生きる意味問うたびに吾想う 限りある命の中にあるささやかな幸せを当たり前に紡げることだと

2396過ちは愚かを映す大鏡原発は時代の強欲その現身なり/宿命を定めであると諦めず嵐の海に漕ぎ出す船頭/隅田川戦火に焼ける我が子を守り自ら焼けた母の愛/汚れし糧を子に与えず毒を食らうは我と叫ぶ母の想いは時代を超えて国難の強風の中に唯一人立つ  
2397言霊に誠を込めて空に放ち天に託せば昇る風船/懐深し青空よ腕を広げて民を抱き嘆きの声を天に運べ/呟きは文を託した伝書鳩届ける想い認め羽ばたく/小瓶に入れし文の如く潮に運ばれ小島に寄せた我が呟きは誰に響かん/悪法よ民の心の自由を奪うな