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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

朝鮮学校への『無償化』適用と大阪府補助金支給を求める12.6大阪緊急集会に参加しました(続)

 昨日に続き、12月6日の緊急集会に採択された要請書をアップします。今度は、総理大臣と文科大臣に対するものです。
 そもそも、今地方自治体で問題となっている補助金停止は、朝鮮学校に対する高校無償化適用からの除外を停止の根拠としています。
 しかし無償化除外の発端自体が闇に包まれています。下記のPDFに朝鮮学校外しの一連の流れがまとめられていますので、ぜひ御覧下さい。→keii.pdfをダウンロード
 この中の2月21日の当時の中井拉致担当大臣が「文科大臣に朝鮮学校を除外するように圧力をかけていたことを各紙報道」という時点が、問題の発端です。次の2月23日には「鳩山首相『除外の方向で検討』、川端大臣『そんなことは聞いていない』」とありますが、文科大臣を抜きにした突然の政治家たちの動きがあったわけです。いまだ当事者の誰からも説明がありませんが、全く不穏な闇に包まれていて、恐ろしいです。2009年末には文科省朝鮮学校の無償化分も予算にすでに含めていました。しかしそれに対し教育の外から難癖をつけた一個人の非公式の発言が、無償化適用の直前に突然大きくとりあげられたわけです。誰が考えても分かりますが、怠惰で卑怯な政治家やメディアが、自分たちの功績のために朝鮮学校に眼をつけ、騒ぎを煽ったというのが事の実態です。政府が無償化を即時適用するのは当然ですが、当時の関係者もまた、問題の発端の経緯を説明し、謝罪をしなくてはならないはずです。

2011年12月6日
内閣総理大臣 野田佳彦 様
文部科学大臣 中川正春 様

朝鮮高級学校生徒へのすみやかな「無償化」適用を求める要請書

 今年8月29日、菅直人前総理大臣(当時)は、文部科学大臣に対し、昨年11月の朝鮮半島における南北の軍事衝突事件の勃発以来停止以来停止していた朝鮮高級学校に対する無償化適用に向けての審査再開の指示を出し、現在も審査中とされております。

 そもそも審査停止は、高校無償化法上の根拠を欠く超法規的かつ「外国人学校の指定については、外交上の配慮などにより判断すべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべき」とする政府統一見解に反する違法、不当な措置でありました。したがって、遅きに失したとはいえ高校無償化法に基づく審査が再開されたことを、私たちは喜びをもって迎えました。しかし、審査再開から3ヶ月が経過した現在に至っても、依然として朝鮮高級学校の生徒(以下、朝高生)たちには高校無償化制度による就学支援金が支給されておりません。また、私たちの求める2010年度分の就学支援金の遡及支給についても、政府はいまだに態度を明らかにしていません。

 昨年の無償化審査停止後、各地の朝高生たちは、このあまりにも不当な民族差別に立ち向かうために、自らが原告となり国を提訴することを決意しました。大阪でも学校法人大阪朝鮮学園と府内の朝鮮学校を支える会7団体と弁護士たちは、この訴訟を全面的に支えていくべく連絡会の立ち上げ準備を進めています。

 朝高生たちは、公私立学校及びほかの外国人学校の生徒たちと、何ら変わりなく勉学・スポーツに打ち込んでいるにもかかわらず(大阪朝高ラグビー部は今年も大阪府大会で優勝し、年末の全国高校ラグビー大会に出場が決まりました。3年連続6回目の出場です)、昨年4月1日の高校無償化制度開始より、1年8カ月を過ぎた今でも、その制度から排除され続けてきました。政府統一見解にもあるとおり、「すべての意志ある生徒の学びを保障し、家庭の状況にかかわらず、安心して勉学に打ち込める社会をつくる」ことを目的とする高校無償化と、国家間の政治・外交とは何の関係もないはずです。

 それにもかかわらず、日本政府が、朝鮮民主主義人民共和国と日本国との政治・外交上の関係を問題にして、朝高生たちのみを無償化から排除し続けていることは、日本国憲法国際人権規約人種差別撤廃条約子どもの権利条約で禁止された民族差別にほかなりません。他の外国人学校や、いわゆるナショナルスクールには高校無償化制度がすでに適用され、そこに在籍する生徒らには就学支援金が支給されているにもかかわらず、朝鮮学校の教育のみを問題視する行為は、明らかな民族差別と言わざるをえません。

 日本で生まれ育った朝高生たちには、政治・外交に対して何らの責任がないことは明白な事実です。私たちは日本政府のこれ以上の朝高生たちに対する不当な仕打ち、教育を受ける権利への侵害、露骨な差別を黙つて見過ごすことはできません。

 以上の観点から私たちは、日本政府および文部科学省に次のとおり要請します。
1.文部科学大臣が自ら定めた「規程」に従い、すみやかに朝高生への「無償化」適用を最終決定すること。
2.2010年度の朝鮮高級学校在籍生に対し、2010年度分の「就学支援金」を遡つて適用する措置を講ずること。
3.朝高生のみを「無償化」から除外してきた差別を認め、朝高生や保護者らに正式に謝罪すること。

朝鮮学校への「無償化」適用と大阪府補助金支給を求める12.6大阪緊急集会 参加者一同