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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

中国吉林省・延辺朝鮮族自治州をめぐって�@

8月20日から27日まで、中国に行ってきました。
中国東北部吉林省延辺朝鮮族自治州にある都市延吉に滞在しながら、
同市を基点に周辺の地を巡りました。

在日朝鮮人の詩人である丁章(チョン・ヂャン)さんのご一家4名と
『空と風と星の詩人 尹東柱評伝』(宋友惠、藤原書店)の訳者でもある詩人の愛沢革さんと私の、
総勢6名での旅となりました。
延辺朝鮮族の詩人たちとの交流も深い丁章さん、
中国語の堪能な奥様、
そして朝鮮語の堪能な愛沢さんには
本当にお世話になりました。
私も朝鮮語を習い始めて一年以上経ちますが、
なかなか身につかず、今回も通訳して頂くばかりでした。
今回語学の必要性があらためて身に染みて分かっただけでも
収穫だったかも(苦笑)。

さて今回は以上の大変心強いメンバーとの
様々な言葉と思いを交わしながら彼地の文化や自然や人の心を感得する
大変濃厚な旅の時間となりました。
朝鮮族の聖地であり、中国の名勝地の一つである長白山(白頭山)。
戦時中日本に留学して亡くなった詩人尹東柱の故郷である龍井と明東村。
中国と朝鮮との国境地点である図們、
さらにロシアとの国境でもある防川。
そして朝鮮族と漢族と他の民族の共生する延吉のダイナミズムも、
詩人や作家や一般市民の方々と交流しながら
じっくり堪能することができました。

さて、出発日の20日は折しも国際情勢的に厳しいニュースが報道された日です。

Imgp0833日本と中国の双方の新聞の一面は右のようでした。

この日までも事態は緊迫化していてこうした事態は予想されたことでしたが、
いざ自分が行く段になるとやはり不安はよぎります。
しかし、北京行きの中国国際航空の飛行機は
日本人ビジネスマンで一杯でホッとしました。
乗り換えで降り立った北京でも「ようこそ」の日本語を見つけてさらに安堵。
ちょっと神経過敏すぎたようです。Imgp0355

日本にいて報道だけを聞いていると中国の印象は恐ろしくもありますが、
市井の人同士が出会わなければそれも無理ありません。
どんな国と国にせよ
互いに国家という制度だけを前面に強調しあえば容易に戦争に至ってしまう。
相手が同じ地平に立って泣き笑いしている存在であると現実的に認識することは
とても必要だと実感しています。
今回はそんな出会いがいくつもきらめく旅となりました。
このブログで少しずつ綴っていこうと思います