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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

「借りぐらしのアリエッティ」をついにみました

ずっと以前にレンタルで主題歌のCDを聴いて以来
気になっていたアニメ「借りぐらしのアリエッティ」を昨日みてきました。
御覧になった方は星の数ほどいらっしゃると思います。

私はまず音楽から聴いたわけですが
セシル・コルベルの妖精めいた非現実的でアンニュイな声と
ケルト音楽を思わせるメロディが
いつの時代が分からない空気を醸成するかのような歌に
惹かれていました。

しかしまず主題歌を聴いてしまったので
何となく半分は見てしまったような気になっていて
映画館になかなか足が向きませんでした。
けれど京都でもそろそろ上映も終了するようですし
今日は一律千円の割引デーだと思い出したこともあり(重い腰をあげさせた理由はこちらですね)
行ってまいりました。

すると、休日で割引きデーであるにもかかわらず
またシネコンアリエッティの上映会場は
何百席もある大きなものだったのに
ほとんどお客はいませんでした(もう相当の期間上映したんですね)。
巨大な空間の中で巨大なスクリーンをまえに数人の客たちの小さな姿だけが・・・。
まさにアリエッティ状態?です。

ストーリーはみなさんご存知でしょうからあえて書きません。

感想ですが、けっこう感動しました。
この世の誰にもみえないところでは
アリエッティたちのように
泣き、喜び、努力している小さな存在たちがいる。
世界の痛点みたいに・・・。
何かそのように共鳴する「痛み」が
この映画にはそこここにきらめいていました。

人間の少年の優しさにふれて
アリエッティの目からこぼれる柔らかな真珠のような涙や
困難に立ち向かうときの少年と少女の真摯なまなざし
風の谷のナウシカのものですね)などなど・・・。

ストーリーと絵と音楽から
私は、何かとても懐かしい感情を誘発されたように思います
そしてある少女漫画を思い出しました。
大島弓子の「F式蘭丸」。
思春期の孤独の中で、理想の少年蘭丸をみずから創り出し
狂気に陥りかけた少女の話でした。
このふたつはストーリーがちがいますが、
しかしこのアリエッティももし病気の少年翔の幻想だったら・・
とふと思ったりしたのです。