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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

彼らの声を聴いてください4

 この8ヶ月、これまで社会問題や政治に関心の薄かった私が、朝鮮学校無償化除外に反対する活動を続けてこれたのには、なぜなのか、とあらためて考えてみると、端的にそれは、朝鮮人の「他者に対する思い」の深さに心を打たれたからなのだと思います。とりわけ朝高生たちの感謝と情愛には、人間の素晴らしさを思い出させられています。ハラボジやハルモニ、アボジやオモニ、そして一緒に学ぶトンムたち、それから同じ校舎に学ぶ未来の後輩たちのために、生徒たちは祈りにも似た思いを抱いて、毎日ハッキョへの坂を歩んでいるのです。今年2月、京都朝高の金校長先生から、「以前ふてくされて授業をさぼって屋上に閉じこもった生徒がいましたが、その子にあとで話をきいたら、壁にイタズラ書きしてやろうと思ったけれど、この学校を頑張って支えてきた一世たちの思いを感じて書けなかった、といってました」という話を聞きました。微笑ましい話ではありますが、多くの先人たち血と汗が注ぎ込まれた朝鮮学校の壁や廊下や調度品は、まさに生きて、いつも生徒たちにハラボジやハルモニの声で語りかけているのですね。かれらの他者への深い思いは、使い捨てに馴れ、現在志向の新しい物好きの今の日本人が忘れてしまった情愛だと思います。だから、彼らの呼び声に応えることは、他者を忘れた私たち日本人にとって、大きな経験となるはずです。

   ウリハッキョ
                                                                    高三 郭貴将
                                                                               
  十五年間通っているウリハッキョで
 ぼくは勉強だけではなく
 色んなことを学んだ

 この十五年間で学んだ事は
 ぼくのこれからの力になるし
 ぼくの人生の誇りでもある

 だからこの十五年間を
 次の子どもたちにも
 学んでほしいんだ
 そしてウリハッキョを
 守り続けるんだ!

   無視しないで
                                                                    高三 金裕花
                                                                               
 普段は塾へとつながる道が
 あの日は恐くてたまらなかった
 冷たい視線と冷たい言葉に
 私はすごく傷ついた
 同じ塾の生徒は不思議そうに
 私を見つめて通り過ぎる
 そんなことするなら勉強しろよって
 思っているのかな?
 
 無視せずこのビラもらってよ
 読んだらちゃんと分かるから
 同じ勉強してるじゃん

  「私たちも同じ高校生です」
                                                                    高三 金智世
                                                                               
 何故ですか
 私たちにも権利をください
 学ぶ権利を・・・

 私たちの前に突然現れた差別
 必死になって戦うなんて
 想像も出来なかったあの日

 今、私たちはあるべき権利を求めて
 
 今日も外へ出て大声で叫ぶ

  「私たちも同じ高校生です!」

  自分の居場所
                                                                    高三 金光希
                                                                               
 日本で生まれた私。
 当たり前のように日本学校に通ってた私。
 何も知らないままに日本で生きてた私。
  「無償化」を知らなかった私。

 でも、中身は朝鮮人の私。
 今はウリハッキョに通っている私。
 ウリノレをうたっている私。

  「無償化」のために・・・
  アボジのために・・・
 全国の朝鮮学校のために頑張っている私。

 幸せに・・・・・ただ差別なく生きたいと
 心の底から願う「私たち」。