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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

昨日の朝日新聞社説について

昨日の朝日新聞社説。
これが私たちの社会の良識だと思います。
幅広い層に訴えかけようとする
懐の深さを感じさせました。

いまだ一部に根強い
偏見や誤った認識にもとづく除外の動き。
その根底には
現在フランスでも問題になっている
外国人排斥
という人間の本能にまかせた心の動きがあります。

それに対し今回文科省
「日本の学校とは異なる方針の下で教育を行うことを、認めようという考え方」
が示されたことは画期的です。
無償化の実現が出来るかどうかは
日本だけでなく世界の良識が見つめています。

「高校無償化の支援対象は学校ではなく、生徒一人一人だ。『外交上の配慮で判断すべきでない』というのは、国会審議の中で示された政府の統一見解でもある」
というこの箇所を
反芻したいと思います。

「多くの朝鮮人が住み、北朝鮮を支持する人がいるのは、歴史的な経緯があってのことだ。祖国を大事にする価値観を尊重し、同じ社会の一員として学ぶ権利を保障する。」
私たちは朝鮮学校の歴史的経緯を認識し
そこでの祖国愛の尊重しなくてはならない──
それは日本人の側が、理性と友愛の心を持って
積極的に変化することです。
朝鮮の歴史や朝鮮学校生の姿を知らない人々には
すぐには困難なことかもしれません。
しかしそれは日本人にとっても
これまで偏見や自己保身によって閉ざされてきた魂を
解放することであり
島国のために錆びつきがちだった関係性に
新鮮なオイルを塗り
世界へ漕ぎだすことをかならず意味します。
過去と未来への応答としても
自己変革をやりとげなくてはなりません。

「度量」という言葉には
なかなか微妙な反応があるかもしれません。
でも「良識」ではやはり弱い。
かなり時間をかけて考えられた言葉ではないでしょうか。
「おう、どんとこい」という気概を
この社会から呼び覚ます
きっぷのいい言葉ですね。
(「太っ腹」でもよかったかもしれない?)