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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

11月27日「詩をうたう夜」inソウル──『ハッキョへの坂道』+『私の心の中の朝鮮学校』合同出版記念会�@

一昨日27日の夜7時、
韓国・ソウルのマポ区にあるカトリック青年会館5階のリコーラオホールで
朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』のダイジェスト・韓国版である
『ハッキョへの坂道』と
チェロの演奏を聴いて朝鮮学校の生徒達が描いた色鮮やかな絵と
それらの絵に触発された俳優クォン・ヘヒョさんのエッセイを付けた『私の心の中の朝鮮学校』の出版記念会が盛大に行われました。

言葉に出来ない位の感動的な記念会でした。
ここまでに至る経緯や出会い(ここが大切なところなのですが)
はのちのち書くとして
今日はざっと当日について述べることにします。

私と許玉汝さんは前日の夜からソウル入りしました。Yoru
私が九月にキム・ダルジン文学賞授賞式での朗読会で訪れてから三ヶ月。
ムクゲや鳳仙花が咲きほころんでいた初秋から早いものでもう初冬です。
ソウルの夜はもうクリスマスの光で満ちていました。
教会の祝祭的なイルミネーションの美しかったこと!

それよりもなによりも
空港からのリムジンバスの中で
主宰者から完成した二冊の本を手渡されたときの喜びは
何ともいいがたいものでした。
明日の朗読会に合わせおよそ2ヶ月で製作者が寝ずに作った本です。
韓国での朝鮮学校ファンたちの熱い思いと支援に支えられて生まれた
画期的な二冊。
今日は紙幅もあるのでこれらの本については後日じっくり紹介しますが
韓国のブックデザインの美しさが
カバーにも本文にも隈なく生かされた素晴らしいワンセットの書物です。

ホテルにはかなり遅くつきました。Hangan
けれど翌朝は七時にしっかり朝食を摂り、
ホテルから歩いてすぐの漢江沿いの遊歩道を散策しました。
あいにくの曇り空でしたが(しかしこの位の雨もよいが朗読会の客の入りにはいいのです!)
気持ちのいい景色でした。
対岸に立ち並ぶビル群は「漢江の奇跡」ということばにぴったりの、
近代化の勢いを感じさせ、
一方音楽堂などのある遊歩道は、近代化の反省から生まれた
自然との共生をテーマとした「漢江ルネッサンス」のウォーターフロント
不思議な対比だと思いました。
玉汝さんはこの風景が大同江岸によく似ていると言ってましたが、
日本にはない大陸的な風景なのですね。

さて、会場となるカトリック青年会館には10時に着きました。Kissa
1階のとても素敵なカフェ(コーヒーも安くて美味しいし、このカフェ自体も演奏会などに使えるようで、本の販売コーナーもありました)で待っていると、
やがて日本からの朗読者である愛沢革さんやチェリストの任キョンアさんも到着。
次第に他の参加アーティストもやってきました。
11時からリハーサルです。
演出スタッフも何人かいて、大変本格的な舞台であることを実感し
今さら胸がどきどきしてきました。
実際舞台に立ち、登壇のタイミングやマイクの位置や声の出し方など
的確な指示を受けていきました。(続)Butai