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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

10月23日「龍神」朗読会(於・ギャラリー寿苑in田辺)

P9040266 一昨日23日、紀州での朗読会を無事終えました。
会場は昨年と同じギャラリー寿苑でした。
少人数でしたが、温かでとても良い会になったと思います。

私は「龍神」から7篇朗読しました。
それぞれにBGMを付け、パワーポイントで関連画像も映写しました。

前回の「新鹿」の朗読会でも感じましたが
今回もあらためて実感したのは
朗読とは、文字を書き付けた時にあったはずのP9040277_2
詩人としての自分の声に出会うこと、
そして詩にそもそもあった声を蘇生させることではないか、ということです。

どんな文字にも
それを書き付けたときに書き手は喉をうごかしたはず。
文字にはきこえない声が込められているのです。
朗読とは文字に隠っていた声、
つまり詩を書き付けた感動や喜びや怖れの未知なる声を
解き放つことではないでしょうか。

朗読するとき、私にきこえなかった自分の詩の声がきこえる。
書き付けたとき私にたちあらわれた熊野の姿が、初めて蘇る。

まだまだ朗読者として未熟ですが
自分の詩を声にのせる経験をするたびに
文字と声、詩と声の関係の謎に迫っていく気がします。

東京から近藤洋太さんが講演者としてかけつけてくれました。
陋巷の人々を通して「自己欺瞞」という人間の本質について思索しつづけた
田辺ゆかりの市井の哲学者小山俊一さんについて
語っていただきました。
大病を克服した倉田さんも元気に加わって、コメントしてくれました。

京都からは竹村くんたちも来てくれ、撮影をしてくれました。
昨年の朗読会でも協力してくれた方々も
ふたたび快くお力を貸して下さいました。
みなさんには本当に感謝しています。

二次会は会場近くの焼き肉屋さん。
じつはここ、先月朝鮮大学の座談会で
たまたま目の前に座った女子生徒金さんのご実家なのです。
あのとき「実家が田辺で、日曜日には大阪の朝高に戻らなくてはならないので
ちびまるこちゃんがきらいだ」
といっていたので「えーっ田辺ですか!」
ともりあがりました。その後田辺で有名なお店と分かりました。
今回素敵なアボジとオモニとごきょうだいにまでお会いできて
しみじみ縁というものの不思議を
美味しいお肉と共にかみしめたのでした。