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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

詩にとって孤独とはなにか(一)

私の初投稿・掲載詩の根幹にあるのは、
孤独感、反抗心、
また同時に、反抗することのできない無力感や鬱屈した気分、
だと思います。
私がそうしたモチーフによってほぼ初めての詩を書いたのは、
詩とは孤独感を訴えるもの、であり、
詩作とは、コトバによって孤独をとぎすますこと、
あるいは孤独を深めること、
だといつしか考えていたからです。
しかし同時に、そうしたスタンスで書けば書くほど、
このままではゆきづまるな、という予感はたしかにどこかにあったと思う。
それは、あたりまえですが、
孤独感の中から孤独をテーマにして言葉を書く、
というやり方を続けていくと、
たとえいくら技法がうまくなっていったとしても、
言葉を誰かと共有できているのか、ということがどんどん分からなくなってくる。
確信が持てなくなってくる。
ともすれば自分の言葉がさむざむと空回りしてしまう。
独りとはたしかに自由ですが、
ある限界点を越えると、
それはきつい不自由へと位相をふいに変えます。
詩にはたしかに自由が必要ですが、
それはけっして「ひとりの自由」ではなく、
「関係性による自由」である、ということを、
私は後年になってやっと知ることが出来ました。
いえ、正確には否応なく知らされたのでした。