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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

やむにやまれぬ思い

「河津さんにとって大切なことは自分のやむにやまれぬ思いを届けるということでしょう。それは詩を書くことといっしょですよね」Image464

ある人がメールでそう書いてくれました。
「やむにやまれぬ思い」
そうか、と目からウロコが落ちる思いでした。
昨夜「情動」という言葉にこだわりましたが、
情動とは「emotion。感情のうち、怒り・恐れ・喜び・悲しみなどのように、突然ひき起こされた一時的で急激なものをいう。以前は情緒と訳した。」(広辞苑
「やむにやまれぬ思い」もまたそれと似ています。
しかし「思い」はemotionの翻訳である「情動」と違い、
恐らく「やまと言葉」であるため
私のこの胸のうちにこそあるものと
感じられます。
それに対し「情動」は何かもっと抽象的で、
むしろ私が巻き込まれ、私固有なものが奪われていきそうになるもの──

今私が抱いているのはたしかに、「思い」。
巻き込まれていくのは、「情動」。
けれどそれらはともにアクセルであるとは思えない。
あるいはアクセルが「情動」であり
ブレーキが「思い」なのか。
いずれにしてもそれらは同じ方向へむかうための、
私と何者かとの力なのでしょうか。

今日は人権問題の活動をしつづけている歌人の方と会いました。
「深く長く活動することが必要で、
とりわけこうした詩人の方々が動くことが必要なんですよ」
と励ましてもらいました。

「人間の尊厳を基盤にした社会の実現にむけ、現代社会の生と死をめぐる状況を人権の視点から考え直すことが、今ほんとうに必要ではないか」
とはいただいたパンフレットに書いてあった言葉。
「人権」という言葉が
まだ実感はなくとも胸の辺りで響き出しました。

写真は帰りの地下鉄でふりあおいだ電光表示板。
「九条」という文字が目に止まりました。