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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

昨日京都市議会のがれき受け入れ決議を傍聴しました

昨日、京都市議会へ傍聴しに行きました。
一昨日に京都市長関西広域連合の会合で、がれきの試験焼却をする方針であると述べたというニュースがいきなり入ってきたのですごく心配になり
いたたまれなくなって駆けつけたのです。

ちょうどその数日前京都府議会でがれき受け入れが全会一致で決議されました。
まさか市議会までと思っていましたが・・

午後2時辺りからこの案について決議がなされたのですが、
驚いたことに委員長は決議案の読みあげを省略しようとさえしました。
ほぼ満員であった傍聴席は騒然となり、怒号が飛び交いました。
その後、騒ぎを収めるために結局決議案は読みあげられはしました。
またその直後共産党議員により反対案も読まれました。
しかしその放射能の受け入れ基準の辺りで、今度は他の議員が騒然となりました。

結局は、自民党などの12号の決議案が採択されたのですが、
この案では放射能について言及した部分がほとんどなく
住民の不安に対し説得力をもっているとはとても言えません。

これを作った議員たちには
例えば「セシウムとは何か」「それが含まれる瓦礫が焼かれると、どのように住民の健康に被害が及ぶのか」という見識がないのではないでしょうか。
もし真剣に放射能被害について、つまり住民の命について心配してくれていたならば、
こんな書きぶりにはならなかったはず。

ちなみにこの決議案には「早期受け入れ」とありますが、なぜこんなに急ぐのでしょう。
当日の議案には大飯原発の再稼働を行わないように求める決議案も、
共産党から出されましたが、
何の議論もなく即時に否決。

そう、議論が全くなかったのです。
市会というのはそういうものなのでしょうか。
ただの出来レース? では何のための議会?

いずれにしてもこの前のブログで取りあげた3.11と3.12の亀裂がここにも拡がっています。
12号はもちろん3.11という自然災害でことを済ませているもの。
がれきを焼却すれば、災害は消えるという立場です。
13号は3.12、つまり原発事故から何万年もの戦いが始まったという立場です。
がれきを焼却すれば、むしろ死の灰と死の空気が半永久的に
京都という美しい町を汚染し続けるという立場です。
13号は実質的にはがれき(ちゃんと「災害廃棄物」になってます)を受け入れないという立場ですが、
欲を言えば、内部被曝についての危険がはっきりしたことが言えない限り
すでに汚染が確定されている地域のがれきは一切受け入れないという立場が最も市民の側、とりわけ子どもに寄り添ったものだと思います。

市会議第12号
 東日本大震災で発生したがれきの受入れに関する決議について

東日本大震災で発生したがれきの受入れに関する決議を次のとおり提出する。

  平成24年3月27日提出
提出者 市会議員 内海貴夫 ほか53名(自民党市議団、民主・都みらい、公明党市議団、京都党市議団、みんなの党無所属の会

   東日本大震災で発生したがれきの受入れに関する決議

 2011年3月11日,マグニチュード9.0という世界最大級の地震に端を発した東日本大震災が発生し,東北地方をはじめ,東日本の広範囲にわたる地域が,地震とそれに続く津波福島第一原発事故による放射能の影響など,我が国でかつてないほどの大きな被害を受けた。
 この直後から京都市は,職員派遣,ヘリコプターの出動,処理技術の提供をはじめとする積極的な支援活動を現在も行っている。被災地の復興は,全ての国民の願いであるが,現在,その最大の障害になっているのが,がれきの処理である。
 岩手,宮城及び福島の3県では約2,253万トンのがれきが発生し,そのうち処理された量は,僅か約7パーセントである。岩手県では通常の一般廃棄物の約11年分,官城県では同様に約19年分に相当する量と,なっている。このがれきを速やかに処理することが,復興に向けた第一歩である。政府は,岩手県及び宮城県のがれきについて,全国の自治体に広域処理を呼び掛けているが,受入れが進んでいないのが現状である。 がれきの広域処理なくして,被災地の新たなまちづくりは進まない。震災の傷跡となったがれきが,いつまでも被災地に残っている状況では,真の復興があり得ないことは言うまでもない。
 よって京都市会は,国の責任において,科学的な知見により放射能の影響を検証し,放射線量の測定等十分な体制を整え,処理費用を国が負担すること,また,安全な最終処分地を確保することを条件に,関西広域連合の示した基準を参考にして安全と判断される災害廃棄物の早期受入れを検討するよう,京都市に対して強く要請する。
 なお,受入れに際しては,岩手県及び宮城県のがれきについて,運搬,焼却及び埋立ての情報を開示し,国及び京都市が市民への説明責任を履行し,地域住民に理解を求める努力をするべきである。

 以上,決議する
      年  月  日
                     京都市

市会議第13号
 東日本大震災で発生した災害廃棄物の受入れに関する決議について

東日本大震災で発生した災害廃棄物の受入れに関する決議を次のとおり提出する。

  平成24年3月27日提出
 提出者 市会議員 井坂 博文 ほか14名(日本共産党市会議員団)

  東日本大震災で発生した災害廃棄物の受入れに関する決議

 東日本大震災から1年が過ぎ,未曾有の大震災は,東京電力福島第一原子力発電所の大事故と共に,今なお,被災地に大きな影を落としている。震災がれきは,今も山積み状態となっており,その速やかな処理は,被災地の復興にとって重要な課題である。政府が被災地での処理能力を強化することはもちろん,被災県以外の協力が求められており,本市においても,放射性物質に汚染されていないがれきについては,受け入れる必要がある。
 そもそも,放射性物質に汚染された廃棄物については,福島第一原子力発電所による事故に起因したものであり,その責任は,第一義的に東京電力と政府が負うべきである。しかしながら,現在j政府が放射性物質への対策を真剣に行っているとは到底いえない状況にある。政府が指定した特別管理の必要な指定廃棄物は,セシウム134とセシウム137の濃度の合計で, 1キログラム当たり8, 000ベクレル以上のものである。それ以下のものは,放射性物質が含まれていても,指定廃棄物とせず一般廃棄物と同等の扱いで,まともな対策を講じていない。これは,従前の1キログラム当たり100ベクレル以上としてきたものを大幅に引き上げたものであり,政府の試算でも廃棄物の処理に携わる作業者に年間1ミリシーベルト近い被ばくを容認するものとなっている。本市は,政府に対し,現在の政府の基準や処理方法について是正し,放射性物質で汚染された廃棄物の基準と放射線防護対策を抜本的に見直し,強化することを求めるべきである。
 受入れに当たっては,第一に,自治体で焼却されている通常の廃棄物と同程度の放射能の量・質レベル以下のものに限ることが必要であり,本市の一般ごみ焼却施設における焼却後の主灰の放射性物質は不検出であるため,それを上回る放射性物質が付着したがれきについては,受け入れないこと。第二に,処理の各段階での放射能測定の体制に万全を期すこと。その体制や財源,結果の公表については,国の責任で行うよう政府に強く求めること。第三に,処理の各段階での測定結果については全て公開すること。第四に,住民への説明と納得,合意を前提とすること。以上の条件を整えることが必要である。

 以上決議する。

   年 月 日
                      京都市