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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

一ヶ月の山を越えて(三)

会の終了間際に見たビデオは
当日の蛮行の様子を校門の内側から撮影したもののうちの一部、
5分ほどでしたが
私は目と耳を疑いました。
これが人間なのか、
というあまりにも大きな衝撃を与えられました。
映像から暴力を受けたわけです。
実際立ち会っていたら
恐らく気絶していたでしょう。

人間には人間を人間たらしめている根源的な倫理があると思います。
その
してはいけないこと
言ってはいけないこと

悪の側から知っている人たちが放つ姿と言葉がそこにありました。

「公園を不法占拠している」と
その人たちは学校にやって来たそうです。
拡声器を使い、学校について、在日朝鮮人について、民族教育について
一時間にわたり汚い言葉で冒涜しました。
物理的にも暴力を働いたそうですが、
現場を目撃していない私も
映像に映し出されないところでかれらが何をしたか
十分想像できます。
私たちが見たのは
ほんとうに一部のまだマシなところで、
当事者たちはあまりにもひどい部分は見せたくなかったのでしょう。
けれど
ビデオ撮影されたかれらの姿と声と言葉は
まさに人間のものではありませんでした。
心の病を持っているのか
といえばそうではないと思います。
お母さんたちの話では
とりわけ恐怖をかきたてたのは
かれらの多くが一見ふつうのサラリーマンやOLだった、
ということ。
そう
心を病んでいるのではないのです。
忘れていた記憶が蘇ってきます。
遙か昔に学校で目撃した
いくつかのいじめの場面です。