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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

一ヶ月の山を越えて(二)

ヒロシマピョンヤン」の上映会のチラシはImage451
かなり前朝鮮新報に挟み込まれていたもので、
ずっと取りおいていました。
広島と平壌の取り合わせが
なんだか気になっていました。
また広島の在日被爆者の問題に関心のある友人から
「それ見たいなあ」と言われたのも
興味をかき立てていたようです。
当日はとても寒く
直前までどうしようかと家でぐずぐずしておりました。
しかし意を決して会場に向かいました。

映画は
朝鮮人民共和国で暮らす被爆者の女性の姿を
日常の次元で丹念に追っています。
在外国被爆者では
在朝被爆者だけがいまだまったく救済からとりこぼされている、
被爆者手帳さえもらえない、
という事実を
一女性の苦しみから私は初めて知らされました。
映像が情緒的でないだけに、
事実としての重みと悲しみが伝わってきました。
また映画の後には監督の方のお話があり、
ご自身のスタンスや在朝被爆者について
とても力強い言葉で語られたのにも
目がひらかれる思いがしました。
自分にとっても一つの大きな問題提起を与えられたと思いました。

しかし私に身体的ともいえる衝撃を与えたのはその後でした。
会の終了間際に
「緊急アピールをさせて下さい」
と前に出てきた何人かの方々が言われました。
なんだろう?と思いましたが、
それは会の直前の12月4日に
ある差別的な団体が京都の朝鮮初級学校に押し寄せてきて
一時間にもわたり
暴言をはきちらし蛮行をくりひろげたという
あまりにおぞましい事件についての報告と訴えでした。