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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

#連歌デモ2398〜2459

※全行程はHP(http://reliance.blog.eonet.jp/default/shikukan.html)にて御覧いただけます。

2398『#連歌デモ』一首一首がまさに一瞬一瞬のいのち、煌めき、飛沫(注:第一巻の千首のいのちの煌めきと飛沫が眩しい。) 

2399日本という名の小さき船よ 今暗礁に乗り上げた一億乗せた難破船 傾きし船 誰が舵取り立て直す 船は頭を上げながら日に日に沈む深みへと/タイタニックが沈みし晩に讃美歌歌いて召される準備 覚悟を決めた人々の様にあなたは船が沈む時逃げずに運命を共にするのか

2400瓦礫焼きこそ亡国の愚策なり 各県で毒煙昇らす死の焚火 厚生省防毒マスクを売りたいか 終いには火葬場からも放射能/10年後存続できるか日乃本・日本 滅びゆく日本の自然 守れぬ民 民族離散 ディアスポラ 国失いて離れ離れになる日本人 世界各地へ散りゆくか

2401遠くより響く地鳴りのその音に 遠吠え上げる狼の様に眠れる本能目覚めさせ 自分と家族の命を守れ男達/嘘や虚構の蔓延る街 頼れるものは自分の嗅覚 臭い無き放射能 臭いを嗅ぎ取る鋭敏な命を守る感性を持て/大災害の燃える劫火のその中も悠々と急いで進め大和魂

2402推進派もはやオモテにでられません脱原発に成りすまし!(注:東京新聞原発監視はや『骨抜き』事後同意も不要論 規制委人事国会素通り)


2404写メの笑っている息子の顔を指でなぞる ママとナナミを守ってくれよ お兄ちゃんと願いながら

2405まっすぐに ただひたむきに命の音に耳を澄ませ 絶望の中に生まれてきた命がけの天使の愛を知るために(1809「優しくて全てを包む愛の中とわに変わらぬ夢を見つめて/…)へ返歌)

2406狂気へと悪夢鎮める愛響き心魂無辺の光/いのちきていのちはとわとあいちからおそれはゆめのこころありしか/微かして想いの行方集まりし真実とわの愛無限にて/未来から産まれくる子ら潔白の穢してならじ天地の掟(2405へ返歌)

2407我が声も含みて響く新刊本弟(いも)が机にそっと手(た)置きて

2408自らが作り出したるモンスター封じ込めるに経文要らず コンクリの分厚い蓋して塗り固め/科学者はいつでも自分の尻拭い 放射能フランケンシュタインにも似て哀れ/ソビエトは6千人の死者を出しその犠牲者を殉死と呼ぶ/日本では既に3千人が殉死せりされど未だに光見ずとは

2409たおやかに滑らかに蚕が絹を吐く如く 柔らで瑞々しい言の葉をその唇から吐息と共に吐き続け給へ/糸は真白き繭となり夢見る魂の寝床になりて 時空を超えた霊の園導き共に散歩する/白き繭こそ白き城揺り籠であり白い棺 全ての星は繭に揺られ眠り旅する無限へと

2410親ならば一目見んとの晴れ姿赤い着物の十三参り(嵐山デモへよせて。2411と2412も同じ。)

2411古の化野原の民人も怒りに震える現代の棄民

2412嵐山峰の紅葉心あらば今一度の復興を待たむ

2413『#連歌デモ 1〜1000首 Vol. 1』言の葉の想ひ伝えよどこまでも地の果てまでも時の果てまでも 

2414この世ならぬ者にてあれば神仏はただ悲しみの淵を覗ける

2415人間の営みなれば人間の責を貫き死なんと思ふ(2424へ返歌)

2416世界は言透波で出来ている この地球には人の想いと言葉が渦巻いて目に見えないけど うねりが熱くどよめいてる/言の葉を集めて枝が幹になり若木が大樹に大樹が林に林が森へと膨らんでく どんどんどんどん言の葉の叫びはざわめきながら上へ上へと登ってく

2417ブツブツザワザワ御喋りしながら大気圏を越え太陽系を越え銀河の果てからまた飛び出して 言の葉達は旅を続ける/誰に会うんだい 神様さ すべてを創った神様さ 全てを創った神ならば地球の悩みなど朝飯前 手に負えぬこんな騒ぎも綺麗さっぱり片付けるのに違いない

2418風鈴を揺らすそよ風夕涼み 吹く風に不安混じると窓を閉め 秋深く進み行けども落ち付けぬ 夕焼け空さえくすむ上飛ぶ秋茜 簾越し見える夕げの支度には秋刀魚にあらず異国の紅鮭 松茸 椎茸 しめじに舞茸 なめこ えのきに エリンギと食べてみたいな茸鍋
 
2419花も咲かせぬ無花果の芳しい匂いにふと思う したたかに核の無き国への道を民が創ることに祈りを乗せて

2420言の葉ひとつふたつと数えるたびに この地からかの地を想う何度も何度も忘れないよ忘れないから 大切なこの国のかたち

2421放たれた毒矢の毒は民を蝕む 矢を受けて我大丈夫と抜きもせず/時が過ぎ毒が回れば気付くとて悔いても忌の際に立ち/まだボヤと見過ごす火事の恐ろしさ侮る末は大火に飲まれて/街外れ火の見やぐらの鐘が鳴る まだ火は遠いと逃げ遅れ/養生を心がけても風に毒

2422慟哭を伝えて狂う春の嵐 風にたなびくしだれ桜 花吹雪 淡く舞い散り轟く風音/二本松桜を慕いて民集う野にも丘にも人影なし/馬を愛で手塩にかけて育て上げ自慢の駒を競う流鏑馬/歴史伝える相馬の里 三春駒 木彫りの木偶に託したる明日への想い今霞みゆく

2423権力は亡者ばかりを生みにけり疲れ果てたる民の哀しき  

2424持続する我が魂はここに在り連帯求めて孤立恐れず

2425ヨボ爺も恥ずかしながらここに起ちささやかに撃つ赤心籠めて(注:歌集みながら寝た。無数の無名の詠み人諸氏に敬意。) 
  

2426生まれ育った産土の大地誰が好んで捨てようか 信じたい何時かは戻る清き山里 されど日毎に身体は病みゆく/エジプトより民を連れだし新天地へ導きしモーゼの如き預言者よ 福島の民を安全な地に導き給へ/原爆の教訓授かるこの日本重ねる過ち罪深きこと甚だし  

2427花は花は花は咲くなり福島に散り逝くものはいのちなりけり

2428原発の被害ここにも避難区域に取り残されし土器や古文書

2429ふたたびの歴史の証人となる物ら放射能汚染をその身にとどめ(2438へ返歌)
2430国民よいざ選びたまえ土に還るあるいは国ごと石棺なるかを

2431死して尚自然に還れず塞がれる鉛の棺桶チェルノブイリの人

2432福島の原発異変を聞く度に信じて住まうひとびと思う

2433思い出せ電力会社よ技術者よ社会や民を害するが使命か

2434原子力発電の闇暴かれて尚も進める理由は金のみ

2435電気をばひとの暮らしに必要と再稼働急いだ総理は死に体

2436風吹きて季移りゆく真夏日の昨日の汗も自然の賜物

2437許さない「みんな被曝してんだよ」暴言の主首相となりても(注:被曝しない人が将来のために必要なんだよ)

2438国中に被爆振りまく瓦礫のみか食べて応援内部被爆も(2446へ返歌)

2439バナナは昔は高級品 一本百円十本千円だから売ります叩いてでも持ってけ泥棒二十本千円 それでも今なら高いと思うどうなってるのか物価の仕組み テレビは昔は高級品 30型なら30万 今なら家が映画館50型でも何でもアリ クーラー車は高級品 社長の持ち物手が届かず

2440この核文明20世紀の汚点なり科学者の頭の中の方程式宇宙の果てに捨ててしまえ/ピラミッド太陽電池を得る為に白く輝く大理石パネル貼っていたかも大昔/金(かね)と言う万能券を稼ぐ為学び働き死んでゆく憐れ人間と猫が呟き/放射能宇宙全部は汚せまい

2441おまけに今では携帯電話 昔なら天皇陛下も将軍も手紙を託した伝書鳩/今時は誰が切手を買うものか葉書書く人古代人/Eメール待たずに届く一秒で世界の何処でも光の速さ このままじゃ郵便局も潰れちゃう/ーこんなにも便利な世の中誰がしたこれには原発要るのかも
 

2442おはようと吸った呼吸に放射能 御休みとついた溜息放射能 二酸化炭素を酸素に変える 樹々の魔法の光合成 悪い空気に咳込む街路樹 原子核 陽子に光子に中性子 飛び回りたる暴れ者 電子よ電気をくれないか 湯を沸かす薬缶の熱を取る為にかくも危険な術選び人類破滅の愚かさよ

2443いっしょに歌った3月9日 今もきみのおもかげしぐさがこころのどこかで沈んでる あの日を忘れないでと

2444さくらの花びらひらり舞い散るあの場所に もう一度行きたいきみに見せたいさくら咲く 僕のふるさと

2445秋の暮れ黄金に輝く梨をもぎみずみずしさに喉を潤し 薄らでも毒を盛られし果実なら我が身守りて口に入れまじ/芳醇な秋の実りを汚すもの幾つもの山越え谷越え吹き降ろす毒の風には防ぐ術無し/山の幸海の幸まで汚したる憎き妖怪放射能退治出来るか一寸法師

2446放射能何故に御前は苦しめる人や獣や花や鳥草や木や森までも 形を崩し命を奪う何の恨みで誰を呪う/御前をこの世に呼び出したるはマリ・キューリーかアインシュタイン 魔法の呪文で呼ばれたのなら故郷へ戻す呪文は何処に潜む/パンドラの箱の蓋を閉じ御前を闇に葬ろう

2447首都東京不安の中にひしめき合う千三百万の夏が終わる/海へ行きても山に行けどもグレーな心に晴れの日無し/アブラゼミミンミンゼミにツクツク法師アンカー走る日暮しの声聞かぬ間に幕を下ろした夏の舞台/透明な見えない悪魔が忍び寄る体を蝕む放射能 

2448ぱくぱくと梨食べる小さな口がかわいい声で訊くの まま、げんぱつってなーに? どこへいけばこわいのなくなるの?と

2449口ぽかん夏の終わりに花火ぽんそんな無邪気をいつか浜辺で

2450浜辺にて無邪気に夏を楽しめるその日よ戻れかの渚にも(2458へ返歌)   

2451『#連歌デモvol.1』綴られた想い忘れず大切に次代に繋ぐいのち、たましひ

2452稀有になる心のまみえ夢もよう美し自然人恋しくて/誰もなおいつもと同じ息づかい未来の夢と想い交えて/畢竟の愛の始まり掴みやら大しき夢の小さな息で/鈴虫の小さな合唱世界してとわに変わらぬ響き恋して 
 

2453地を這いて力も尽きて棄てられて流れる我等ニホンこくみん 

2454君よどうか刻み込めいのち軽んじたこの国の長たちがたどりし末路の道を ただまっすぐなまっすぐな心で血と骨

2455朽ち果てしわが身は奈落に至れども未練で残る廃炉まだかと

2456我が身朽ち果ては奈落に落ちんとも魂魄残し廃炉迫らん(2464へ返歌)

2457回らぬ口でチューしてとねだる遠くにいる幼な子に電話ごしからチューをする 本当は君のほっぺにチューしたいの

2458大槌に秋がくる季節外れの向日葵が蜂に優しくお帰りと言ってるよ きみもお帰りよたましいとなって大好きなひとのところに

2459追われ狩られ封され黙す言の葉よ今こそ出でん荒魂となりて(2393「言葉を殺され封せられても誰かが命がけで喋ろう詩人の尹東柱の如く」へ返歌)