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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』のお知らせ

([E:flair]アンソロジーはすでに完売しました)

朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』のお知らせ

詩人と歌人、合わせて約70名(予定)によるアンソロジーが
もうすぐ完成します。

概要は以下のようです。

タイトル:朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー
               
仕様:A5版縦 約250頁
               内容:約70名の詩人と歌人による、コメントと作品のアンソロジー。
               頒価:一部1000円(送料込)
               発行予定日:2010年8月1日

詩と短歌。
この二つのジャンルの根を同じくする「うた」には
「うったえる」という本来の力があるといいます。

前回のリーフレット
詩人と歌人が散文的な次元においてもなお持つ言葉の思考力に
賭けた一集でしたが、
今回は詩と短歌にある本来の「うた」の力で勝負します。
コメントと作品が並びます。

テーマは直接的な「朝鮮学校除外反対」だけでなく、
「他者に対する憎悪犯罪への反対の意思表示」
あるいは「言葉による暴力への反対の意思表示」などです。
すべての参加者が
除外の問題に対し多角的多次元的に向き合って書いております。

6月末頃から呼び掛けを開始しました。
アンソロジーを編もうと思ったきっかけは
直接的には金里博さんが
6月に入りふたたび無声1人デモを再開すると言ってきたことでした。

4月にリーフレットを出し、5月に第一回無声デモ1人を支援したあとで
私を含めた日本の詩人たちは
しばらくエアポケットのような安堵感に
ひたっていました。

けれど里博さんのデモ再開は
当事者の鋭敏さがとらえたリアルな危機感のあらわれとして
私たちの胸を刺しました。
日本の詩人にとっては、
日常が事態の深刻さをかくし
時間がすべてをただ押し流そうとしていたわけです。
そのことにふいに気づき、
胸は不安に高鳴りました。

慌てて少しでも志を同じくしてくれそうな人たちに
連絡をとりました。
120名位には呼び掛けたでしょうか。
そのうち70数名が立ち上がってくれたわけです。

いきなり言われて困惑され断られた方々も多いです。
(あたりまえですね)
しかし一方で、
この問題についてぜひ考えてみたい、
言葉を扱う者として何が出来るだろうか?
この問題には理不尽さを感じていたが
どう行動し表現していいか分からなかったので
機会を与えてくれて嬉しい、

と言ってくれた人も多かったのです。

私は今回(今回だけでなくいつもかも?)やや性急に事を進めましたが
その性急さのためにかえって
無駄なためらいを感じなくてすんだようです。
結果的には迷惑もかえりみず?呼び掛けて本当によかったと思っています。

現在のところ50名分が集まり
前半部分を昨日、編集会社に入稿しました。
これから25日の締め切りまで
どんな力作が集まるのかわくわくしているところです。

自画自賛ながら、
これまでのところを読んでも感動的な一集になると確信します。
政治的な言葉やスタンスは一切ありません。
言葉を「うた」の次元で思考し、感受し、手渡す者たち
ならではの言葉ばかりが並んでいます。
この問題をめぐって社会や歴史や他者に向き合う一人一人の顔がたしかにみえてくる
すばらしい内容となっております。

今回の除外問題は様々な角度から考えられる複雑な問題です。
しかし多様性や深度という点で
このような一集はなかったのではないでしょうか。

ぜひみなさまにも手にとって頂きたく
お知らせ致しました。