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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

七夕

「お元気ですか。そろそろ梅雨明けのようです。雨でもロマンチックに天の川を思いながImage691 ら・・・」
と今朝携帯に思いがけないグリーティングカードが。
誕生日やクリスマスなら驚きませんが
七夕のカードなんて素敵だなあ、と思いました。
Kさん、ありがとうございます。

そう、今日は七夕です。
恋愛がテーマのお祭りの日です。
そういえば京都はちょっと雨がふりそうな気配もありますが
この日の雨は恋人たちの涙雨なんですよね。
そう思えば、何もかもがロマンチック・・・。

古くは小学校の頃、星の観察会があって
学校に寝泊まりして、屋上で並んで順番を待って望遠鏡で星を見ました。
牽牛星織女星を見たかどうか覚えてませんが
天の川は記憶にあります。
土星の輪はたしかに見ました。
あの頃は、SF漫画に夢中だったし
折しも大阪万博で宇宙への憧れをつよく感じていた頃で
レンズにぼうっと広がった銀色の星の姿が
遥か彼方から自分に呼び掛けている気がしたものです。

六年前初めて手術を受けた日も七夕。
麻酔から目覚めたばかりのボーっとした頭で
かなり上の方の病室の、大部屋の大きな窓から
暮れゆく空を眺めていたことも思い出深いです。
眼科の病室で(私は別の科でしたが、ベッドに空きがなくわりこみました)           みな片方の目に眼帯をした患者さんたちが
言葉もなく空を見つめていたのを覚えています。
雲が多くて星など見えないのに
「あっ、星が見えたよ」
と指さすおばあちゃんに皆が近寄り
「あれかな、あれだよね」とそれぞれみずからに言い聞かせるように
頷いてまたベッドに戻るのがおかしかった。
近眼の私にも人工衛星のちかちかした光しか見えなかったのですが。

しかし幼い頃
私は短冊にどんな願いを書いたのでしょうか。
笹の葉と紙の飾りのこすれるさらさらという音だけが記憶にあって
書いた内容は覚えていません。
あまりにもどうでもいいことだったからでしょうか。
それともあまりにも当然な願いだったからでしょうか。

写真は近所の和菓子屋さんで。
京都の町家は七夕がよく似合いますね。