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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

「普天間で日米共同声明」

「日米両政府は28日、米軍普天間飛行場(沖縄宜野湾市)移設に関する共同声明を発表した。移設先をキャンプ・シュワブのある名護市辺野古崎地区とこれに隣接する水域とし、1800メートルの滑走路を建設すると明記。8月末までに代替施設の位置と工法の検討を完了させる方針を示した。埋め立てを軸に調整が進む見通しだ。沖縄の負担軽減策として、海兵隊など米軍の一部訓練移転先に鹿児島県・徳之島を挙げ、沖縄県外の自衛隊基地の活用を盛り込んだ。」

京都新聞一面記事のリードを書き写しました。
読んだだけでは頭に入ってこないので、キーボードを打つ指から理解しました。
しかし、一字打つごとに、心が暗くなっていきました。

結局、沖縄の人々の負担軽減どころか、さらに解決不能の心労を与えるだけの結果となりました。もし辺野古を着工する段になれば、大変なことが起きるはずです。また普天間がさらに身動きのできないなら、何か、決定的な無力感とシニシズムが、始まる気さえします(それは、朝鮮高校無償化除外の問題でも感じたことですが)。

沖縄のその現場に住む人々は、日々いやがおうでも武器の匂いを嗅がされ、感じたくもない無力感とシニシズムを感じざるをえない。そのことを、私も想像しなくてはならないと思います。

シモーヌ・ヴェイユは書いています。
「人間の中にある無限は、剣という小さな鉄の一片のなすがままである。・・・この鉄の一片をひとふりすれば、かならずたちまちのうちに、人間の中にある無限は、ひき裂くような苦痛をともないつつ、切先の一点か、つかの上の一点まで縮小されてしまう。存在全体が一瞬のうちに打ちのめされてしまう。」

この一節から、今次のように言えるのではないでしょうか。「沖縄を想像するために、武器の破片をだに肌身に着けておくこと」。もちろん比喩でなく、冷徹な物質の感触から想像しうることを想像するために。