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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

ふたたび一昨日のまとめ(1)

 昨日の原子力調査情報室のアーカイブを見ようとしたのですが、何らかのトラブルでか画面が起動しません。
 それで、一昨日19時からの後藤政志さんの会見で、後藤さんが強調されていたことを、まとめてみたいと思います。私なりの理解なので、間違っている点があったならば、お許しを。

この事故を理解するための大きなポイントは二点と言われていたと思います。Image1247

aまず原子炉が厳しい状態にある。
説明
原子炉の安全を確保するために、全体としてまず大切なのは
 1電源 2ポンプ 3水 
が確保されているいるかどうか。
それが今どうなっているかといえば
1外部電源は地震で喪失。非常用ディーゼルの立ち上げにも失敗。その後の追加の電源立ち上げも失敗。
2ポンプは津波で海水系の取水はダメになった。
3現在水位下に燃料棒があると推測できても、水位計が正しい値を示しているかは不明。
全体の状況から収束しているとは言えない。

とにかく、燃料棒が水から露出することは極めて危険なことである。
燃料棒の冷却は、水が循環できる時にある程度発揮されるのだが、あるプラントでは、海水を満たしているが、冷却性能は循環していない、ただ熱伝導のみでやっている。
つまりそうした極めて脆弱な冷却システムの制御の中で、燃料棒が露出している。
恐らく露出しないように水位をあげている努力はしている筈で、うまく行けばいいが、うまく行かないと炉心が長時間露出していることになり、それはメルトダウンに繋がる。

bプラス、格納容器も厳しい状態にある。
説明
通常は原子炉の配管から蒸気が洩れても、格納容器に閉じ込める。今回は津波で海水系の冷却機能が損なわれたので、格納容器の中のサプレッション・プールの水を冷やし循環させた。だから先にむしろ格納容器の圧力温度が上がってしまった。しかもそれは、原子炉が大きなトラブルになる前である。つまり、まず最後の安全の砦である格納容器がダメになったというのがポイントである。

それからレントゲンとの比較も慎重に、ということです。
今もどこかのテレビの解説者が表を使って数値を比較していましたが、レントゲンで浴びる放射線量と、今回の被爆の比較を、単純にしてはならないとのことです。
 そのことを昨日の会見で質問している人もいました。後藤さんの答えは、
「レントゲンは放射線を瞬間に浴びるだけですが、それは、この原発での被曝のように、放射線が付着して浴び続けるというのとはは全く違うもの。だからレントゲンとの比較は慎重にしなくてはならない」。
 つまりレントゲンよりも低い値だから大丈夫ということには、決してならないのです。