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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

一年前の2月6日はお燈まつりでした。

P2030047_6昨日は全国的にとても寒い一日だったようです。
京都もこの冬はたしかにとても寒いのですが、
不思議なことに空気が冷えるだけで雪はほとんど降りません。

しかしもう立春を過ぎました。

陽ざしの色も
陽ざしの下の人も物も影も
少しずつ春へと和らいでいるようです。

一年前は紀州にいました。
2月6日
新宮市・神倉神社の「お燈まつり」を
禊ぎから火祭りまでを一日追っていました。
あの日も相当寒い日でしたが、
海辺でふりあおいだ日輪の光は冷たいままに
七色に滲んでみえたのを覚えています。

今年もたしかに春へと光はあふれていきます。

「プロメテウス、プロメテウス・・・
つよまる光にかすかに弾かれ火の声は熾(おこ)る
重い冬の鎖を解き放ち
紀伊半島がふたたび逆しまに輝きだすときだ
忘れられていた神々がふるえながら
青くあおく空を溶けてゆく
(世界とはかくも柔らかなものだったか)
紀州の川も木も石も鳥も魚も
渇いたように日輪からあふれる七色を呑み始める
今日世界のエロスと一体化するために
正午過ぎ 王子が浜に立ち
私たちは影を濃くしていく」

                  「お燈まつり(禊ぎ)」より