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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

「在日コリアンの戦後」に感動しました。

とてもいい内容の番組で、みていて何度も目をぬぐいました。
民族学校の存在を根幹とした在日コリアンの歴史が
とてもよく分かりました。

私自身にはまがりなりにも歴史を知りたいという欲望があるのですが
そしてそれは恐らく
歴史のダイナミズム、あるいは「からくり」を的確に実感したいという欲望
なのですが、
それをかなりみたしてくれました。

こういう、人間の、歴史に対する基本的な欲望に見合う、あるいはそれを喚起する
番組こそが今大切なのだとつくづく思いました。

内容は大まかには次のようなヒストリーです。
アメリカの占領政策は
米ソの対立によって、日本の民主化から反共政策へと転換していきます。
その中で日本の、朝鮮人差別政策はずっと変わらない。
アメリカはその国策を巧みに利用し、日本や朝鮮半島への支配をすすめようとし
日本はアメリカの反共政策にのっかって、差別や軍備を復活させようとする。
その結果、朝鮮人への制度的な差別が生みだされていく・・・

またくわしく書きたいですが(きっと書きます!)
朝鮮学校がなぜ無償化から除外されたのかが
番組をみて氷解したのでした。
ただ脳の歴史的な領野が
ふとしたはずみで氷塊になってしまいかねない私は
今日分かった歴史を何度も反芻して
何とか自分らしい言葉で表現しなくてはならないなと思っています(詩人が歴史を語ることは可能でしょうか?)。

番組のラストはなんと
先日東大阪朝鮮初級学校で見た「金銀花永夜(クムンファヨンヤ)」の
阪神教育闘争のラストシーンじゃないですか。
あの日の感動がよみがえりました。
そして
「なんぼ鉄砲の弾がつようても、頭の中入った知識は取られん。」
という番組で語ったハルモニの言葉が
鮮烈に胸につきささりました。

追記(しかしこの番組に比べるべくもないですが
ここ数日とりわけ民放が流し続けた
元死刑囚をめぐるニュース映像は本当に見る者を悲しいほどばかにしていました。
女性的な優しさや母性をなんとか利用して
見る者の涙や同情を誘ったつもりなんでしょうか。
何よりも女性をバカにしていますし、そのこと自体があわれです。
彼女の唇に彼女がのぞむはずもないグロスを塗ったのはだれなのでしょうか。
国策というよりも、非歴史的な男たちの愚かさを強要されるようでした。)