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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

それは否定しないんですけれど

昨夜NHK総合で放映された「大阪の未来をどうする」。

大阪府橋下知事大阪市平松市長との、
「直接意見交換」です。

(平松市長は数年前、市長公館での
三好達治賞の授賞式でお見かけしました。)

番組の感想は、
これって意見交換なのかしら?という疑問。
橋下知事が終始
一方的にディベートを仕掛けているという印象でした。
対話になっていない。
「それが市長とのちがいなんですけどね」
「それは否定しませんけどね」
というような切り返しで
すぐに水掛け論に持ち込む。
聞いていて、全体的にいい感じはしませんでした。
しかも、なぜ知事の左手には府の職員が家来のように控えていて
時折王様のように知事が指示を出していたのか。
またなぜカメラはずっと
市長の方にではなく
知事とバックの職員たちばかり映していたのでしょうか。
いかにも権力的な構図で
見ていて終始いやでした。

もちろん私は大阪府大阪市のことはほとんど知りませんが
「話し合おう」「相手の意見をきこう」という態度が殆ど見られない
知事のいわば
打ち負かしてやろうという意識がつねに伝わり
気分が悪かった。

知事が打ち出した府と市を再編する大阪都構想
市長は予算調整が出来なくなると反対しました。
これに対し知事は府と市が分かれているから
都市力が弱まっているのだと反論しました。
区長の公選制をめぐっては、
橋下知事は、区長は選挙で選ばれる政治家が行われる仕事だとし
市長は選挙で勝った人が何でも出来るという考えはおかしいと反対したのでした。

いずれにしても私にはまったく知事が
聞く耳を持たない感じがしたのですけど。

橋下知事の基本的なスタンスは
予算編成と選挙至上主義。
選挙で選ばれた人は何でも出来るし
予算編成こそすべてだという考え方。

そこにある具体的な理由や論理は分かりませんが
予算編成という数字や効率の最重視は気になりましたし
選挙至上主義は、例えば区長なら区長で
知事が自分の配下の者をマスコミを使って次々当選させ
権力のピラミッド構造を作る可能性もあるのではないでしょうか。

最後のところでの市長の
「大都市の歴史があるから残った文化がある。
たとえば国立文楽劇場では無形文化財人形浄瑠璃を守っている。
それは大阪市があって、そういったものが多くの企業の形をえて助成金をえて、何百年と護り続けてきた文化だから、それを後世に伝えたい」
という言葉は重いのではないでしょうか。
それを受けてやはり知事は
「それは否定していないんですけど」
と言った気がするのですが。